社会福祉法人 ステップさが
障害や病気などにより、地域で自立した生活を送ることが困難な人々に対し、囲って保護するのではなく、地域にも見守られつつ、できるだけ外に出て社会で一人で自立して生きていけるようにしてあげたい!という熱い思いの有志によって平成19年12月にNPO法人を設立した。基本的な生活習慣、職業習慣および社会生活技能を身につけてもらい、一般企業への就労支援を目的に、働く環境づくりや、身体的、知的、精神、発達と様々な障がいの特性と個体差を十分に考慮し、何ができて何ができないのか、本当にできないのか甘えによるものなのか、などを見極め、障害への必要な合理的配慮を行いつつも、時には厳しく忍耐強い指導・訓練で、自立を目指している。
「就労訓練」なので教育的要素が大きいが、自分でできた時の喜びを知り、心も一緒に育っていって欲しいという考えで利用者本人やそのご家族ごとにきめ細やかな対話を常に心掛けている。屋内で野菜の水耕栽培を行う「活き活き工房夢ファーム」や「まる工房」など障がいがあっても外作業、食品加工、事務作業など、その人の可能性を引き出せるような様々な作業体験から自立と就労を目指す。企業への事前の実習を多くすることで双方の理解を深め、就職率の向上にも繋げており、就労後も就労先と障がい者間の橋渡しを行って、行き違いや問題発生を最小限にとどめ、長期の就労を目指している。
「受賞に感謝して」
ステップさがはNPO法人ステップ・ワーカーズとして平成7年に障害者福祉サービスを開始し、平成30年に社会福祉法人ステップさがに衣替えし現在に至っています。
私どもステップさがの特徴は障害者の自立訓練から就労継続支援、一般就労まで支援サービスを幅広く展開し、それにより利用者の希望や状況に合った支援を行っている事です。最近では社会生活や人間関係に適応するのが難しい方の相談も多くなっていますので、ステップさがでは自立訓練(生活リズムを作る訓練)、B型事業所(事業所内で工賃を稼ぐ働き方)、移行支援(企業への就職活動をサポート)とさまざまな選択肢を用意しています。
具体的には、いきなり就職活動が難しくても、社会に出るための準備段階として自立訓練(生活訓練)事業所の「ステップ・ONE’S」で生活のリズム、社会性を身につける方法もあります。「ステップ・ONE’S」は、社会生活の第一歩ということで名づけています。
「ゆくゆくは企業就職を目指したいが今すぐには自信がない」、「毎日行けるのか不安」、「朝から夕方まで長時間人と接するのが不安」といった方々にはまずは自分のペースで仲間と一緒に仕事が出来る就労継続B型事業所を用意しています。ステップさがでは「活き活き工房 夢ファーム」と「まる工房」の2つのB型事業所を運営しています。
「夢ファーム」では室内で水耕栽培の野菜作りを行っています。気候に左右されず種まきから収穫までの作業を繰り返し行っていきますので得意な作業を探しながらご自身の役割を果たしてもらうことができます。そして何より、緑色に囲まれ精神的にも落ち着き、自分か育てた野菜を収穫する喜びを感じてもらうことができています。
一方「まる工房」では手作り無添加ジャムやケータリング販売を手がける食品部門、名刺印刷やパソコンでのデータ入力を行う事務部門、施設の除草作業や農家の作業を手伝いに出向いていく農園部門の3部門がありさまざまな作業体験が出来ます。
この様にこれまで就労に向け幅広い支援体制を整え活動をしてきましたが、今回のこの受賞を機に、更なる支援活動を推進してまいりたいと思っています。
ありがとうございました。
理事長 深川 英之