受賞者紹介

第53回 社会貢献者表彰
きょうとふぁみりーはうす

京都ファミリーハウス

(京都府)
京都ファミリーハウス 代表 古賀 會委子
代表 古賀 會委子

高度先端医療を求めて、京都市内には全国から多くの難病患者が集まってくる。京都ファミリーハウスは、そうした患者に付き添う家族へ、宿泊施設を1日1,500円という安価で提供し、患者家族を支援している。病院から近く、布団や炊事道具や冷蔵庫、洗濯機などの家電も据え付けられ、自分の家にいるような感覚でリラックスできるプライベートの部屋を用意し、時には患者が食べたい物をキッチンで作って持参することもでき、料理することで気晴らしにもなるという。患者を第一に考えて長期間慣れない土地で看病し続ける家族にとって、心身の疲労に加え、高額治療費、自身の宿泊費や交通費などの経済的負担が重くのしかかる。
現代表の古賀會委子さんをはじめ、スタッフのうち7名は自らも重病を患う子どもを看病し、苦労した経験を持つ。この経験から施設の必要性を実感し、2005年3月にこの団体を発足して14年、現在14名のスタッフで3施設12部屋を管理運営し、患者家族への対応の仕方などの研修を行い、時には話を聞いてあげながら支え続けている。近年はボランティアスタッフ皆で毎月定期的に集まって情報交換をしながらロゴ入り巾着などのグッズの製作販売もしているが、患者に好評であると同時にハウスの自立のための資金の足しにもなっている。

推薦者:特定非営利活動法人 京都難病連

この度は公益財団法人 社会貢献支援財団の名誉ある賞をいただき、心より感謝申し上げます。

推薦をしていただいたNPO法人京都難病連には御礼を申し上げます。

受賞式で、いろんな活動をされている方々にお会い出来、交流を持てたのは人生の中で一番素敵な時間でした。交流の場で横の繋がりができたことも、これからの私たちにとって大きな財産となりました。

2001年1月に長男が白血病になり、私が一人で京都に住んで長男に付き添いました。治療費プラス二重生活費と大変な3ヶ月でした。話を聞いてくれる人もいない、病院とマンスリーマンションとの往復にこの先どうなるのか心配と孤独感でいっぱいになりました。

その時にもし京都に宿泊施設があったなら、金銭的にも精神的にも私の気持ちが安らいだと思います。

そんな思いの中、せめて家族が安心して京都で治療を受ける患者さんに付き添えるような『我が家』が病院の近くにあったらと、難病の子どもをもつ親たちが集まり2005年8月に京都ファミリーハウスをたち上げました。

初めは2部屋をオープン。その日に満室になりましたが、宿泊希望のご家族からの電話は毎日のようにかかってきます。部屋がないのでお断りする日々に、滞在施設を必要としている方々がたくさんおられることに心が痛みました。

ご家族の希望どおりの宿泊が出来るようにと毎年少しずつ部屋を増やし、現在12部屋を管理・運営しています。

患者ご家族に寄り添うことだけを考えて、時には時間を忘れてご家族の話を聞きます。その時間で少しでも気持ちがはれたら。和らいだら。患者の前では泣けないけど私たちの前では辛い気持ちを出し、気持ちを切り替えて病院に行って欲しい。乗り越えてほしい…と願いながら一緒に過ごします。

ただ部屋を貸すだけでなく、ご家族のひと時を共有できるファミリーハウスでありたいと思っています。

これからも日々変わっていく治療や入院期間・外来治療に対応していけるよう、滞在施設もその時々に合わせて運営をしていきたいと思います。

いつの日か病気のない世界がくることを願って、その日まで私たちのできることを精一杯やっていきます。

最後になりましたが、「第53回社会貢献者受賞の金一封をスタッフのために使って下さい」とのお言葉をいただき、来年1月にスタッフ13人で初めてランチの時間を持てることに感謝を申し上げます。

ありがとうございました。

京都ファミリーハウス
代表 古賀 會委子

  • 春と秋のスタッフミーティング
    春と秋のスタッフミーティング
  • 入居手続きの様子
    入居手続きの様子
  • 滞在施設の部屋の中
    滞在施設の部屋の中
  • お掃除ボラによる春と秋の大掃除
    お掃除ボラによる春と秋の大掃除
  • 手作りグッズの販売
    手作りグッズの販売
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」