齊藤 朋子
2009年に獣医師となって以来、野良猫の不妊手術を専門に行う病院を開き、これまでに行った手術は16,000頭を超える。繁殖制限により望まれない命を生み出さないことが、犬猫の殺処分ゼロに繋がると、ボランティア団体との連携により、着実に目標達成に向けて活動が行われている。また、全国各地で行われるボランティア医師による犬猫の不妊手術への参加や、他県からの出張依頼手術にも応じている他、行政や臨床獣医師にも理解を深める為の働きかけを行い、術式の普及・技術指導も行う。
2010年には国内における殺処分ゼロの目標に向けて、NPO法人ゴールゼロを設立。理事長に就任し、都内の小学校などで、動物を通じて命の大切さを教える教室を開催。奄美大島の世界遺産登録に向けて行われた野猫駆除に対しては、6万以上の署名を集め、定期的に島を訪れ地元での聞取りなど現地調査を経てその実態を明らかにするなど、野生動物を含め、ペットと人間が共生できる社会に向けた活動に尽力されている。
公益財団法人 どうぶつ基金
飼い主のいない猫に低料金で不妊去勢手術をする。これだけをひたすらに10年間続けてきました。てがけた猫の手術数は累計16,000匹を超え、周りの獣医仲間も増えています。人間の身勝手により、不幸にも殺処分される犬や猫の数を、少しでも減らしたいと思う、ただそれだけの獣医師として当たり前の行動が、こうして表彰していただけたことは本当に嬉しく、また改めて自身を振り返り、どれほど多くの仲間に支えられて、ここまでやってこられたかを実感する機会でもありました。
現在は、鹿児島県奄美大島で、生態系保全のために邪魔者にされたノネコと呼ばれる猫を救う活動も加わり、大変な面もありますが、起こす行動に信念が伴えば、人は応援してくださることを日々実感しています。
授賞式では、「私ひとりにできることは小さいかもしれないけれど、何もしないよりはしたほうがいい」、そんなひとたちが世の中にはいて、本当に素晴らしい活動をされている方々と知り合えることができました。招待した仲間たちにも世の中の素晴らしい活動の数々を知ってもらえ、皆、感動していました。
推薦者および選考委員のみなさま、財団のみなさま、心温まるたくさんのおもてなしに心から感謝申し上げます。
この受賞を励みに、かけがえのないペットたちが社会の一員として、人と共に豊かに暮らしていける社会になるよう、これからも犬猫の殺処分ゼロをめざす活動を続けてまいります。