株式会社 パン・アキモト
(株)パン・アキモトは、秋元義彦社長の父、健二氏が1947年に創業し、2017年に70周年を迎えた町のパン屋さんだが、長期保存できるパンの缶詰を発明し、日本のみならず世界の飢餓地域へ届ける仕組みを作り上げた。
きっかけは、1995年阪神淡路大震災で被災地にパンを届けたが、日持ちしないため3分の2は食べられずに廃棄され、被災者から「柔らかくて長持ちするパンを作って」との声で、秋元社長は試行錯誤を繰り返し、柔らかく保存のきく「パンの缶詰」を誕生させた。
パンの缶詰は備蓄食としている場合が多い。備蓄期限を超えた商品の多くが廃棄されている。アイデアとして救缶鳥プロジェクトを思いついた。
救缶鳥プロジェクトは、保存食リユースシステムの先駆的な取り組みで、3年間保存できるパンの缶詰の期限を1年.1年半を残して回収し、被災地や世界の貧困国に送る。回収した缶詰の下取り金額、送料等はアキモトが負担している。2018年9月現在、世界に届けられたパンの缶詰と救缶鳥の数は、27万840缶になる。また、食べた後の缶がゴミにならないよう、コップや食器として再利用できるように工夫されている。
救缶鳥プロジェクトの一環でアフリカの子どもたちへ運動靴を贈る運動も始めた。その他、人手不足を見越して外国人研修生を積極的に受け入れるなどの活動も行っている。
この度は受賞の栄誉にあずかり有難うございました。
弊社にとって予想外の評価を受け感謝感激です。
また今般受賞した沢山の方々が自己犠牲を惜しまず日夜困っている人の為に活躍されている姿の一端を拝見でき、更に直接意見交換などのできる機会を頂き感謝しています。 文明や経済そして科学の発展の陰でそれに取り残こされている弱者が世界中に多数いることは各種メディアやネット情報で知ってはいるものの、何をして善いかを知らない現代の私たちです。 そのような環境下にあって、いたたまれなく「一歩踏み出した人たち」を大所高所から見つけ出し評価をして頂いている社会貢献支援財団の存在価値は至極貴重です。 更に多額な金品を「自由に利用してください」との副賞として頂いたことは、受賞者にとって何とも言えない清涼感そして普段の苦労を払拭して「また頑張ろう・・・」とのエネルギーになったことと感謝しています。
我々食品を造る者にとって、食品ロスは残念そのものです。 日本国内での年間食品ロスは約650万トン、そして同じこの地球上で飢餓に苦しみ命を失くす人々が年間10憶人もいる問題を見過ごす訳にはいきません。 何かをしたい・・、何とかならないものか・・?
知恵を出し合い色々な人達の多面的な協力を得て「救缶鳥プロジェクト」が2009年に生み出されました。 備蓄食をその賞味期限前に全国から回収して品質をチェックした後に、食料を必要とする国や地域へ無償で送る活動です。 それを一時的な活動で無くて継続性に注視し、ソーシャルビジネス的な発想を取り入れました。 モノ(食品)を大切にする「もったいない運動」と「飢餓」と云う社会課題解決を根底にし、更に事業継続の為に収益を考え変化を余儀なくされていますが、宇宙船・地球号に乗っている同じ人間・特に食料弱者に我々は気配りを続けたいと願っています。
代表取締役 秋元 義彦