社会貢献の功績
特定非営利活動法人 チェンジングライフ
理事長の野田氏は、自身が少年時代に非行を繰り返し、少年院に収監される経験を持つ。院内でキリスト教に目覚め、退院後に聖書学院で学ぶと、東大阪市内にアドラムキリスト教会を設立し、更生を願いながらも、住居や信頼できる大人を喪失している若者に寄り添い続け18年、これまでに100名を超える青少年らの自立更生に尽力してきた。チェンジングライフとは、社会復帰のための、生活支援、自立後のアフターケアを行うこと。
政府をはじめ、自治体が進める再犯防止への取組みにも積極的に参加し、兵庫県の少年院では教誨師(きょうかいし)として、少年らに寄り添い、また自身の体験や彼らの心のうち、再犯防止について、教育委員会の研修や弁護士会等での講演も週一度のペースで行っている。
この度、社会貢献者表彰をいただき、まず、はじめに、社会貢献支援財団様に心から感謝を申し上げます。そして、この場をお借りして、恐縮ですが、法人の仲間とその家族、支援者の方々、また、同じ志をもって活動させていただいている友好・関係団体の皆様にも、感謝を申し上げます。
率直なところを申し上げて、受賞決定のお電話をいただいた時、『神様ありがとう!』と心の中で思わず、ガッツポーズを致しました。と同時に、身の引き締まる思いも致しました。それは、社会貢献者表彰の端に加えていただくことは私たち法人にとって何よりの励みでもあり、また、さらに目の前のサポートを必要とする人に愚直に寄り添っていこうという厳正な思いにさせられたからです。
私たちはNPO法人化するもっと前、草の根の更生支援の活動を2000年から開始しました。「いと小さき者の隣人になる」その聖書の教えを胸に、相談者の声に耳を傾けてまいりました。
その中には、見事、就職を果たした人、子育てに奮闘する良き母親になった人、家族のために必死で汗を流し家にお金を入れる良き父親になった人、塗装会社の社長になった人、そして、再び、犯罪に走ってしまった人…。その寄り添う日々は、喜びとともに、苦難の歴史でもありました。
そうして、それまで細々と続けてきた非行防止・薬物離脱等の相談支援を本格的に拡充させたのは、2011年でした。アパートを数室借り上げ、受刑者や出院者を迎え入れ、自立と更生の支援を本格化しました。その中で、逮捕経験を持ちながら、高校や大学に進学した若者たち、薬物の売人から足を洗い、当法人のスタッフになった若者…。司法や福祉の専門家から一般就労困難といわれながら、社会適応を果たした若者…。
思い返せば、泣き笑い、喜びと苦み、感謝と痛みが胸の内を交錯いたします。
更生支援の活動は、打てば響くような活動ではありません。どんな活動でもそうですが、使命がなければ、続けてこられませんでした。社会貢献支援財団様からの表彰を今後の活動の追い風として、「使命」いのちを使うに値する、誰かがしなければならない活動を継続していきたいと思っています。
最後になりますが、社会に貢献しようとする団体や個人は、ややもすれば、その地域、地域において、孤軍奮闘となっている場合もあるのではないでしょうか。そういった個々の活動が、メディアで取り上げられることがあったとしても、その苦労が半減するわけではなく、かえって、困難やいらぬ、誘惑が増す場合もあるように感じます。しかし、そういった社会貢献を志す者に、まるで、プールから上がった競泳選手にバスタオルを覆ってくれるコーチのように、そっと、寄り添ってくださり、「お疲れ様。あなた方の活動を応援しています。世界に少しでも笑顔の輪を広げて行きましょう」と身体の芯から温めて頂くような体験を私は社会貢献者表彰の式典でさせて頂いたように感じてなりません。このぬくもりを、更生支援、児童福祉という私たちのフィールドで、子どもたちに届けて行きます。本当にありがとうございました。
理事長 野田 詠氏