社会貢献の功績
特定非営利活動法人 京都難病連
1974年(昭和49年)結成、以降今日に至るまで「病気に負けないよう仲間同士が励まし合い助け合う」、「病気のことを正しく理解する(仲間に伝える)」、「病気があっても安心して暮らせる社会の実現」などを目的として活動をしている。
1980年に「難病相談センター」を開設、難病専門医や看護師、社会福祉士が行う専門相談、および同病患者が行うピア相談を日常的に行っており、年間1,000件を超える相談に対応している。
また、1998年には「難病医療講演・相談会&交流会」事業を開始、毎年約15疾患の医療講演と個別相談会を開催し続けており、専門医のセカンドオピニオンが気軽に受けられることや同病の仲間との情報交換や交流ができることで好評を博している。一方、難病患者や障害者の生活の質の向上を目指す運動にも取り組んでいる。
加盟団体16団体会員数約2,500名(2017年3月末現在)
この度は、栄えある社会貢献者表彰を授与いただき心より感謝申し上げます。表彰式では、自身の命を顧みず人命救助にあたられた方々や、国内外で素晴らしい活動をされている方や団体のお話をうかがい、世の中には、すごい人が大勢いるのだと感激しました。
治る見込みの少ない難病に罹ると、病気から来る身体的な苦痛だけでなく、「この先どうなっていくのだろうか」という不安にかられます。症状の進行、高額な医療費、就労・就学の問題、介護・看護の負担など、様々な問題が絡み合って、家族を巻き込んで生活が一変することは稀ではありません。
京都難病連は、そうした難病患者や家族の不安を少しでも軽減して、病気を受け入れながら、前向きに暮らしていくことを目的として、当事者がやるべき活動、当事者だからできる活動に重点をおいて事業を進めています。
事業の柱となる難病相談センター事業では、看護師、社会福祉士、専門医による専門相談と、同じ困難を体験してきた患者が行うピア相談を毎日受け付けており、年間600件を超える相談に面接や電話で対応しています。また、仲間の交流会「難病カフェ」の開催や、ピアサポートの質を高めるための「ピアサポーター養成研修会」などを実施しています。
もう一つの事業の柱として、「難病医療講演・相談会」を年間14~15回開催しています。幸い、京都には様々な難病の専門の先生がおられます。そうした先生方に講師になっていただくことによって、レベルの高い医療講演や個別相談ができているのではないかと思っています。
さらに、当事者がやらなければいけないこととして、制度の課題や地域生活上の問題やニーズを取り上げて、府や国に要望する患者運動や、「世界希少・難治性疾患の日」の地方イベントを開催するなどの啓発運動にも取り組んでいます。
行政支援の及ばない部分を埋めるのがNPOの役割とされています。同じ体験を持つ仲間によるピアサポートはまさにその部分になると思います。これからも、当事者だからできるピアサポートを中心に、一人でも多くの難病患者が病気はあっても明るく前向きに暮らせることを目指して、活動を続けていきたいと思っています。
代表理事 北村 正樹