社会貢献の功績
認定NPO法人「だいじょうぶ」
栃木県日光市で子どもへの虐待を無くそうと、養育が困難な家庭の訪問支援、家に居場所のない子どもたちを預かり、衣食住から保護者の精神的なサポートをする母子の居場所「Your Placeひだまり」の運営、虐待をしてしまう親の回復プログラムなどを行っている。代表の畠山さん夫婦は、里親として県から委託された子どもたちの養育を行っており、2010年から「ファミリホーム虹の家」を運営している。
この度、「社会貢献者賞」という尊い賞を頂き、推薦してくださった方や、選んで下さった審査員の皆さまに心より感謝申し上げます。貧困や虐待などで苦しんでいる子どもたちに、小さくてもできる限りの手を差し伸べたいとの思いで活動してきたことを、このような形で励まして下さり、スタッフ一同、たいへんうれしく思っています。
私は東京で生まれ、両親と妹の4人家族の長女として育ちました。家庭には笑い声が溢れ、物心ついた頃から、この家に生まれて本当に良かったと思っていました。ところが、のちに就職した児童養護施設で、過酷な養育環境の中にいた子どもたちと出会うことになります。親から暴力を振るわれ、何日も食事をもらえなかった子。家の水道が止まり公園でお米をといでいた所を保護された姉妹。私の知らない所で、その家庭に生まれたということだけで苦しみを負わされている子どもたちがいるということを知りました。私は、このような子ども達に安らげる家庭を提供したいと、将来は里親になることを願うようになりました。その後、結婚して3つ子を授かり、育児に追われていても、頭の中には、いつもそのような子どもたちへの思いがありました。
息子たちが高校を卒業した年に、児童虐待防止のためのNPO法人「だいじょうぶ」の設立メンバーとなり、市の委託事業として24時間の電話相談と子どもを一時的に預かるショートステイを始めました。その時、夫婦で里親の研修を受け、念願だった里親にもなりました。
やがて「だいじょうぶ」は、子どもだけでなく、子育て家庭への支援として、家事や育児の手伝いをするようになりました。子どもを守るためには、その親たちを支える必要があります。頼れる人もなく、孤立した育児をしている親に対して、優しい実家のような存在でありたいと思いました。さらに子どもたちには居場所を作り、そこで食事や入浴や洗濯、勉強の支援を行い、乳幼児の託児も開始しています。このように、今後も私たちは様々なことを考えながら、今回頂いた賞を励みとして、さらに活動を続けていきたいと思います。
認定特定非営利活動法人 だいじょうぶ
理事長 畠山 由美