人命救助の功績
馬場 秀樹
柳瀬 一成
杉本 匡史
2016年11月2日午後5時20分頃、大阪市JR天王寺駅構内を帰宅中の馬場氏と柳瀬氏はJR天王寺改札方向へ、杉本氏は地下鉄方向へ向かっていたところ、男が金属バットを振り回し、女児と女性に危害を加えている現場に遭遇し、馬場氏が咄嗟に容疑者に飛びかかり、柳瀬氏と杉本氏も続いて飛びかかり、協力して容疑者の男を取り押さえた。
馬場秀樹
この度、大変名誉ある賞をいただきましたことに心より御礼を申し上げます。
また、表彰式当日は会長の安部昭恵様より表彰状を授与頂き誠に光栄に思っております。今回、私は人命救助部門11組のなかの一組として式典に参加させていただきしたが、日本各地のみならず、海外でも多種多様の福祉活動や社会貢献をされている方々がおられることを改めて知り、本当に良い経験と自分も何か出来ないか等と思わされる式典でした。
私事ですが、活動報告ではありませんが、本式典の前日から私たち3人が係わった事件の裁判が始まり、以前より検事の方から参考人として法廷で証言していただきたいとの申し出がありましたので、被害者方々のことを思い快く承諾し証言して参りました。日本も猟奇的な事件や弱者を狙った凶悪犯罪等が日常的に発生し、必ずしも治安が良い国とは言えなくなってきているように思います。
我々、一般市民は犯罪に対して何か出来る訳ではありませんが、抑止することは可能ではないかと事件以来感じております。今回、参加された皆様方を少しでも見習い、また、応援できる機会があれば是非、参加させて頂きたいと思いました。
最後に社会福祉に貢献される方々のご多幸を願い、執筆を終わらせていただきます。
柳瀬一成
この度は、数多くの候補の中より選出頂き貴重な賞を頂戴致しましたことを心より感謝申し上げます。
改めて事件の事を振り返りますと、当時私は業務中で上司と天王寺駅で乗り換えるところでした。エスカレーターを上っていると、金属音やざわついた人の声が聞こえてきたので、何かのイベントかと思っていたところ、金属バットを持った男が少女に殴りかかっているのが見えました。周囲にはたくさんの人がいましたが、男を止めることはできずにいました。一瞬の事であまりはっきりと覚えていませんが、上司が先に飛び出し、私も一緒に男に飛び掛かりました。他の方の協力もあり、無我夢中で何とか男を取り押さえ、被害の拡大を防ぐことができました。
私は元々正義感が人より強いわけではなく、腕力に自信がある方でもありません。そんな私でも、勇気を出せば誰かの役に立つことがあるのだなと驚きました。そして何より、一人の力は小さくても、複数の力を合わせれば難しそうに思えることも解決できるということを改めて感じました。
昨今、弱者を狙う卑劣な事件をニュースで目にするたびに心が痛みます。また、地震や豪雨など大きな災害も後を絶ちません。以前はどこか他人事のような気がしていた事も、いつ自分の身に起こるか分からないと身に沁みました。これからも、その場の状況を判断しつつ、積極的に困っている人を助けていけるように心掛けたいと思います。そしてこのような人命救助や社会貢献を応援し広げていく貴財団の活動に敬意を表します。ありがとうございました。
杉本匡史
この度、第50回社会貢献者表彰という盛大な式典の挙行、栄誉ある賞を賜り誠にありがとうございました。懇親会から授賞式、そして祝賀会を通して多くの素晴らしい方々と出会えたこと、人の温かさに触れることができたのは、私にとって生涯の財産・宝となりました。
さらに、他の人命救助で受賞された方々の身を挺した勇気ある行動、社会貢献で受賞された方々の長年の地道な活動、世の中には目立つことなく、見えないところで社会に貢献している方々がこんなにもいるんだと…とても感動いたしました。
本当に奇跡のような出会い、かけがえのない時間を共有することができました。
今後の人生に活かしていきたいと思っています。
平成28年11月2日午後5時過ぎの出来事でした。
当日は予定していた会議が長引き、次の仕事へ向かうため、JR天王寺駅中央コンコースを急ぎ足で歩いていたところ、突然の悲鳴と目を疑うような信じられない光景、若い女性に金属バットを振りかざし、危害を加えている男に遭遇したのです。
一度は犯人を見失いましたが、振り返ると次は女児に殴りかかっていたのです。
体が動いたのは咄嗟の判断でした…通りかかった男性2人に続き犯人に飛び掛かって取り押さえました。
今回の救助は私だけではなく、他の多くの方が関わっています。
私達と一緒に犯人を取り押さえて下さった方、駆け付けて下さったJRの職員さんなど。
警察署から感謝状の授与があるとお聞きした時、まだケガ人が回復していない中、躊躇しましたが、最終的に警察の方々から有難いお言葉を頂き、受け取ることにいたしました。
とは言え当初は、もう少し早く動いていれば、ケガ人も抑えられたのではないかと自分を責める時もありました。
しかし、今では女性の社会復帰、女児の回復をお聞きし安堵しております。
事件から1年半ほど経ちました。事件現場には今でも毎日のように仕事で通りかかります。その度にあの時の光景が目に浮かび、心がざわつきますが、変わらず人々が行き交う平穏な情景に、普通に過ごせる日常の大切さを改めて感じずにはおれません。
安倍昭恵会長はじめ、式典では多くの皆様との交流と見聞を広める機会を頂き、感謝の言葉しかありません、本当にありがとうございました。