社会貢献の功績
京都わらび会
京都府内で1980年に設立された稀少難病患者と児と家族で希少なため患者会のない疾患を対象とする日本で唯一の任意団体。現在24種類の疾病患者や家族87人が参加している。「独りぼっちにさせない」をスローガンに、福祉面、最新医療情報の紹介、電話相談、患者がひきこもりにならないよう遠足などの各種イベントも開催する。また研究を進めて貰えるように各医療機関、各種団体、厚生労働省などへの要望活動も行っている。赤いヘルプマーク(外見からわからなくても援助や配慮を必要としている人が、周囲の人に知らせるマーク)の運用の働きかけを市や府、交通機関にも行っている。
この度「第49回社会貢献者表彰」という立派な名誉ある表彰を賜り光栄に思います。安倍昭恵会長様から手渡しして頂きました賞状に感無量です。私達稀少難病患者・児・家族の会に目を向けていただき感謝しております。
1980年に設立しました京都府で同病患者が少なくて、患者会が出来ない稀少難病を対象とした全国的にも珍しい患者会です。現在24疾患87人と賛助会員・ボランティアのわらびもち15人で構成しています。諸先輩方の涙あり・笑いありの37年間の悲喜こもごもな思いを、しっかりと受け止めて、会員さんに寄り添った手作りの活動を継続しております。
京都わらび会の「ひとりぼっちにさせない」想い、日頃からあまり外出されない方に、家から一歩出て頂く、そのために京都市重度障害者移動支援事業のリフト付き福祉バスを利用して春の交流会と秋の交流会を実施しています。この秋の交流会ではリニューアルした京都動物園の見学・ランチはホテル平安の森「洛」にて美しい、おいしい料理を堪能しました。会員さんの中には「外出して食事するのは何年ぶりだろう」「みんなで一緒に食事するのが、こんな楽しいとは思わなかった」とおっしゃる方もいらっしゃいました。京都府難病支援センターのボランティアさん2人が大活躍してくださったお陰で、車椅子の方々も安心して楽しんでおられました。ランチの後は、東山将軍塚の青龍殿、夢舞台の京都が一望できる大パノラマと紅葉を満喫しました。初参加の方もすっかり打ち解けて身内みたいな大家族‼福祉バスの中はみんなの笑顔が溢れていました。名残惜しい想いを胸に解散!
そして、同病者同士の交流会は、毎回、開催日などを各新聞社に掲載して頂き、実施しています。「こんな会があったのだ。探していました。」と初めての方もお見えになります。新聞の力は大きいと感じています。同じ病気同士、病気の受け入れ方・付き合いかた・日常生活・制度の利用・主治医に対する患者としての心得・工夫等々を話題にすることにより、力強い絆が生まれ、メールアドレス交換等をしてみんな笑顔で「またねー」いつも次につながる散会です。
福祉情報・最新医療情報の提供、厚生労働省への要望書・署名活動も活発にしています。京都難病連の力をお借りして、同病者が悩み相談を聞く「ピア相談会」「電話相談」も講習会を受けて傾聴を軸に頑張っています。
また、赤い「ヘルプマーク」の普及啓発活動もしています。外見ではわからない内部疾患・妊娠初期等、配慮が必要としている方が周囲に知らせるヘルプマークの運用について、京都府・市・各交通機関に働きかけて少しずつその活動が実って来ています。
JPA日本難病・疾病団体協議会の伊藤たてお様のお言葉である「患者会は楽しくなければ患者会でない」、京都わらび会東屋日出男前会長の言葉である「病気になったのは不運だが、不幸ではない」。この2つの言葉を心に刻み、病名・環境・生活も異なりますが、みんなが地域で安心して暮らせる社会になるように希望を持ち、みんなで楽しいわらび会を一歩一歩前進させていきたいと思います。
いろいろな支援団体様と前夜の交流会、当日の祝賀会で沢山の交流が出来ました。「困ったら何時でも連絡ください」。お医者さんも「可能な限り応援する」力強い言葉を頂き名刺交換をさせて頂きました。
感動の中、夢のような帝国ホテルでの表彰式典二日間でした。
関係者各位の皆さま,優しい細やかなご配慮賜り感謝申し上げます。
京都わらび会
会長 岸 十九恵