社会貢献の功績
食育ボランティア「結い」
名古屋市中川区で食育活動を行っているボランティアグループ。2007年からは主に中学生以上の知的障がいのある人たちに料理講座を開いている。障がい者が受講できる料理講座は少なく、キャンセル待ちが出るほどの人気。受講者の中にはスーパーのバックヤードに就職している人もいる。保護者からは「自分の出来ることが増え、自立に向けての自信につながっている」「帰宅が遅い日にはご飯の支度がされている」との声もきかれる。現在市内の2か所で開催しており、他にも障がい児の親子クッキング、施設入所者のクラブ活動としての料理講座なども行っている。料理講座以外にも、子どもから高齢者まで「バケツ稲作」の応援、食のおしゃべりを広げている。
「授賞式に参加でき、本当によかった。」この気持ちを初めに記します。様々な活動をしておられる皆さんにお会いでき、次の活動のヒントを詰め込み家路に着きました。動物病院でのペット同伴避難は、自治体の避難所マニュアル作成に提言。恵まれない子どもたちへの支援は、直に学習・食事提供からではなく口腔歯科から糸口をたどることを地域福祉計画へ提言。失敗を成功へ変化させてしまう発想の転換など・・・このようなすばらしい出会いに感謝です。
食育ボランティア「結い」の名前由来は、日本の農耕生活から生み出された「結い」「出合い」の協同精神からいただきました。「食」は人かんむりに「良」。食事・食卓を見つめる小さなおしゃべりからを目指しました。栄養学はプロに任せ、主婦ボランティアにできる食卓雑学を楽しく語り、食卓を共にして、心の栄養を皆さんと育みたかったのです。近年の家庭の食卓事情を知るたびに、①手を差し伸べられる所はどこか?②生産過程を知ることから命を頂き、命を繋ぐが、命を大切にすることに波及し自立と自律ができる一旦になればいい③現状を否定せず、気付きをきっかけ作りとする。が「結い」の願いです。
知的な障がいを持った方とのクッキングも、愛知県食育ボランティア登録からの障害者基幹相談支援センターとの出会いがなければスタートしていませんでした。今になって思えば当初は余計な力が入り過ぎ、「クッキングに午前中参加すると昼寝が必要!」などと口にしていたことを笑い話にしています。障がいを持った方の行動を驚きに捉えて接しては、障壁を作ることも体感しました。できることからできる方法でスタートさせることで大きなステップを駆け上がるは、私たちが改めて感じさせられたことです。自然体の付き合いが持続の大きな力です。
「食育」は生きる基本となり、さまざまな分野とも協働できます。「出会い」が「出合い」を繋ぎ、「仕合せ」が「幸せ」を紡ぐご縁に、改めて感謝いたします。
食育ボランティア「結い」
代表 福谷佳子