社会貢献の功績
Exceed
1989年にフン・セン首相の要請を受けて、カンボジアで地雷被害者の救済を行うべく、オックスフォード大学の教授らによって設立された団体。90年代初頭から東南アジアにおける義肢装具士養成と義肢装具クリニックの運営を行い、肢体障害者に義肢装具を届けることで、彼らの社会参画を促進すべく活動を続けている。東南アジアにおいて外部の支援に頼らない自立的・持続的な義肢装具提供の体制を作り上げるべく、これまでにカンボジア、タイ、スリランカ、インドネシア、フィリピン、ミャンマーの6ヵ国で義肢装具士の育成に取り組んでいる。また、内戦、地雷により肢体切断被害の出たカンボジア、スリランカ、ミャンマーでは義肢装具の無料提供も行っている。
2016年7月1日、大変光栄なことに、Exceed を代表して社会貢献者表彰を受賞致しました。
瑶子女王殿下に謁見できましたこと、また首相夫人の安倍昭恵氏から表彰状を頂戴したことは、大変な名誉です。この様な名誉ある式典への出席が叶い、社会貢献支援財団ならびに日本財団に、改めて御礼申し上げます。
今回の受賞は、Exceed(旧:英国を拠点とするNGO)による、障害者への人道分野における活動、特に義肢装具の装着を必要とする身体障害者のための活動が評価されたものです。具体的には、これまでカンボジア、スリランカ、インドネシア、フィリピン、及びミャンマーにおいて、国際基準を満たした義肢装具士養成学校を設立して参りました。また、タイでも既存の義肢装具士養成学校発展のため、微力ながら支援をして参りました。
義肢装具士養成学校の設立の意義は、より多くの人々に義肢装具サービスを提供することに留まりません。人に投資することで、全く新しい産業を立ち上げるという側面もあります。私どもは、各国の義肢装具士養成ニーズに応え続けるべく、専門家育成の環境整備を行うと同時に、大学や政府機関の協力の下で、持続的な学校運営を目指しています。
卒業生は、既に各国の義肢装具クリニックに勤務し、教育者やリーダーとして活躍しています。2002年より、Exceedは各国における10年間の戦略計画-政府を主体とした学校運営への移行計画の責任を担っています。既にカンボジアとスリランカ、タイでは10年計画が完了、インドネシア、フィリピン、ミャンマーでも政府主体の運営実現を目指し、引き続き取り組みを進めています。
この10年計画は日本財団の理解ある支援によって実現してきました。日本財団とは、戦略計画を共に実行する一方で、対話を重ね、ニーズや環境の変化に対応すべく、行動計画の見直しや改善に努めてきました。日本財団とのパートナーシップは揺ぎ無いもので、互いにそれぞれのリソースを持ち寄ることで、確実にパラダイム変化をもたらしてきました。
現在、Exceedは各国で新たな戦略の策定を進め、義肢装具士養成学校の卒業生が活躍し、義肢装具を必要とする全ての人々にサービスが行き届く体制を確立するための政策立案を支援しています。誰もが手頃な価格で適切な義肢装具サービスにアクセスできるよう、革新的な官民パートナーシップモデルを構築する試みです。卒業生の雇用確保は、各国で障害者のために働く人材の確保という観点からも非常に重要です。大きな挑戦であるのは確かですが、将来に向けて、私どもは期待に大きく胸を膨らませています。
Executive Director, Exceed
Carson Harte