社会貢献の功績
更生保護法人 両全会
大正6年(1917)に東京・市ヶ谷刑務所の教誨師であった藤井恵照氏が創設した更生保護施設で、自宅を開放して女性の出所者の収容保護と指導を開始した。平成7年に更生保護法人となり、同10年には渋谷区代々木の現在の敷地に移転した。現理事長小畑輝海氏が同19年に就任以来、寮生が自立し社会復帰を実現するため、寮生の「人間性の回復、再犯防止」を目指し、様々な取り組みを行っている。生活指導や就労支援に加え、各方面の講師を招いて文化的な活動を行なって情操を養う取り組みや、薬物や常習窃盗からの離脱プログラムを設け退会後もサポートを受けることができるようになっている。また平均4ヵ月の寮生活では短すぎる寮生のために、2、3年の寄り添い支援を行う新たな体制の準備も行っている。同会は、100年近い歴史を持ち、創設者の意志を受け継ぎながら、一般的な「更生保護施設」の枠を超え、制度や限られた予算の中から試行錯誤を重ね、再犯防止に向けた先駆的な試みを次々と実施している。「人間力と人間愛」に富んだ職員と多くの民間協力者の支援を得て、各種の指導と処遇が行われている。
今回は、社会貢献者表彰をいただき感謝申し上げます。式典に出席し他の多くの受賞された団体、個人の方々の素晴らしい業績を見聞し感動するとともに、まだまだ頑張らねばという勇気をいただきました。
当会は、東京都渋谷区に本部を置く女性のための更生保護施設で、来年で創立100年を迎えます。東京都内に分室を置き、生活支援施設や障害者のグループホームも持っています。
更生保護施設は、民間が運営し、帰る場所がない犯罪や非行をした者の一時的な住居の提供、社会復帰のための指導・支援を実施し全国に103施設があります。
今回の受賞は、更生保護施設として初めてで、安全・安心な社会の基盤づくりに人間力と人間愛で再犯防止のために日夜努力している全国の施設・職員にとっても励みになることと喜んでいます。
ところで、当会では、数年来、「処遇センター化」と退会後の「寄り添い型ケア」を重点課題として、その体制作りに取り組んできました。
処遇センター化では、生活指導、就労支援、情操面からの人間性の回復教育といった基本的な支援のほかに、当会の女性対象者の大半は薬物事犯者や常習的窃盗事犯者といった依存症的事犯であるため、これらの離脱のために職員による指導に加え、臨床心理士等の専門家やベテランの保護司等のカウンセラー等多数の民間協力者の支援を得て離脱のための専門改善指導を行い処遇の充実を図っています。
また、当会の滞在期間が平均3~4か月と処遇期間として十分でないため再犯防止効果を上げるためには、相談できる支援者のいない退会者への継続した寄り添い型ケアが必要です。
このため、刑事司法と社会福祉の狭間にいる退会者の自立、社会復帰機能を助成するため生活支援施設と障害者のグループホームの整備を進め、既に、運営を開始しています。これら自前の施設と関係官庁・機関・他の施設等との協力関係を築きながら、自立の可能性のある人には社会で生活できるよう支援出来たらと考えています。
この受賞をバネにして、今後とも一層の努力をしていきたいと新たな決意をしているところです。
更生保護法人 両全会
理事長 小畑輝海