東日本大震災における救難活動の功績
特定非営利活動法人 Youth for 3.11
震災当日に4人の大学生によって設立され、時間はあるが資金と経験の無い学生をボランティアに派遣する為、現地で活動する団体と学生の間に入り、交通と宿泊とボランティアがパッケージとなったプログラムを提供し、学生の力を効率的に活かせるシステムを作った。これまでに18団体と提携し、被災3県13ヵ所へ延べ13,336名を派遣し、瓦礫撤去や仮設住宅でのコミュニティ支援などを行い、報告会の実施や漫画やSNSを用いたボランティア経験の蓄積を社会へ発信し、震災を負の経験で終わらせない活動を行っている。東北での活動のノウハウを活かし、将来起こりうる災害に率先して活動できる人材を育成している。大分や和歌山の水害被害などでもリーダーシップをとり活動した。都内に拠点。
2011年3月11日、東日本大震災発生当日に設立されたYouth for 3.11は、災害支援ボランティアにおける物理的・精神的・金銭的なハードルを取り除き、学生が現地に行きやすい環境を整えています。交通手段や宿泊場所、事前研修等、活動に関わる全ての行程をパッケージ化することにより、これまで延べ14,895名の学生の力を届けてきました。震災から3年が経過しようとする現在も、農業支援や漁業支援、コミュニティづくり活動等、ニーズのある地域に対して各地の復興のフェーズに合った支援を提供しています。
多くの学生を巻き込み、課題解決に取り組んできた2年半でしたが、がむしゃらに走り続ける中で、ある2つのことに気が付きました。それは、被災地東北の課題は、震災がきっかけで顕在化されただけのものであり、同様の課題は、多くの地方都市に潜在的に存在しているということ。そして、継続的な東北支援や、各地で頻発する水害支援を短期的に行う中で、緊急災害時に主体的に動く多くは、何らかの形で元々被災地と繋がりがあったことです。これらの事実を受けてYouth for 3.11は、緊急災害時に主体的にアクションを起こせる存在を増やすため、東北以外の地域における社会課題、特に、学生が関わりやすい第一次産業の課題に対する継続派遣を行うことを決めました。この活動を通して、学生がより社会問題の解決に参画できる社会の実現を目指します。
現在、組織を運営する約40名の常勤スタッフ(全員学生)のうち、半数以上が震災当時高校生だった者です。当時は、「何かしたくても何もできない」という想いを抱えていたものの、大学生になってからYouth for 3.11に所属し、自分たちが現地を訪れるだけでなく、同世代の学生を現地に送るために、大学生活をフルに使って活動を続けています。そのモチベーションは、単純に「東北のために何かしたい」というものだけでなく、「将来起こるであろう災害時、自分と一緒に動く仲間をつくりたい」という想いがあります。
しかし、世の中の風化が進む中、スタッフの皆も同様に、自身のモチベーションを保つのに苦労をし、「やりたいこと」「やるべきこと」を見失う瞬間が多々ありました。特に、震災から3年目を迎えようとしている今、組織において「モチベーションの維持」が最大の課題でした。
そんな中、今回社会貢献支援財団の皆様より身に余る賞をいただき、改めて自分たちの活動の意義を見つめなおすことが出来ました。設立から年月が経ち、代表者や常勤スタッフが変わりゆく中でも、常に新たな価値を提供し続けるよう、過去の仕組みにとらわれることなく、新しいことに果敢に挑戦できる<新陳代謝の良い組織づくり>を目指して、今後も励みます。
特定非営利活動法人Youth for 3.11
安井 美貴子