社会貢献の功績
小林 普子
2004年から新宿区大久保で、外国にルーツを持つ児童、生徒にボランティアで日本語教育及び学校の教科学習を行っている。同区は区民の11%が外国人という土地柄であり、日本語の習得の遅れや学習の遅れ、これらの子どもたちに多い、いじめや非行の防止活動にもつながっている。進学を希望する者は皆高校に合格し、これらの受験生の志望校選択の相談から受験手続、合格発表にいたるまでを親や学校、行政に代わって面倒をみている。
子育て支援ボランティア活動でアドバイスを下さった内山清一氏から「社会貢献者として推薦したい」とのお話を頂き、初めて「社会貢献者表彰」がある事を知った。しかし自分が該当するとは思えずお断りしたが、是非にと推薦をして下さった。
この度、受賞式には晴れがましく面映い気持ちで臨んだが、周りの人々に賞賛を頂きその賞の重みを実感し本当に私で良かったのかと自問した。しかし活動を理解して頂いた事にむしろ感謝しなければと思い直す様になった。
子育て支援ボランティアをする中で、新宿区では日本語が十分理解できない母親が子どもの予防接種の情報が得られないと知り、外国人子育て支援ボランティアと考え、日本語ボランティア団体「新宿虹の会」を立ち上げた。2004年に新宿区立大久保小学校を借り、(財)新宿文化国際交流財団と共催で文化庁委嘱事業「親子の日本語教室」を開始した。参加者から日本語ができないため学校でいじめに会っている児童の相談を受け、個人的に日本語と学習支援を始めた。すると同じような環境に置かれている子どもが新宿区の小中学校に多く在籍する事を知った。この状況を打開するために教育長に面会したり、行政に訴えたりしたが中々問題解決には至らなかったが、2008年に新宿区が募集する恊働事業に「NPO法人みんなのおうち」で「外国人児童生徒のための日本語と学習教室:こどもクラブ新宿」を事業提案し、採択された。私が中心になりボランティアを集め教室を開始し、現在に至っている。
教室は週5日、夜7時〜9時の夜間開催し、学習の場だけではなく居場所ともなっている。今まで教室に通って来た子ども達は200名を超え、今も教室には40名の子ども達が通って来ている。また学習だけではなく進路相談(高校見学、入学手続き、三者面談の同行)や生活相談に応じ、行政のソーシャルワーカーとの連携を取ったりもしている。また最近では教室の卒業者の高校の学習や大学受験の相談、難民の子どもの学習教室や教育相談も受けている。
一緒にスキーツアーをしたり多文化交流会で多国籍料理を皆で楽しんだりと、このボランティア活動は私が支援しているでは無く、子どもや多くの人々からエネルギーをもらい支援されていると感じている。
以上の他にも「東京の日本語教育を考える会」等と連携し日本語が不十分な子ども達の教育権保障、ボランティア養成講座、シンポジューム等、子ども達が高等教育に行ける様な活動も行っている。