社会貢献の功績
神 幸雄
1997年パラリンピックで日本は未出場種目の脳性まひ者7人制サッカー(CPサッカー)の存在を知り、パラリンピックへ出場したいという夢を持ち、日本で初めて同大会へ出場を目指す脳性まひ者のためのサッカーチームを結成した。活動を広げるため2001年に日本脳性麻痺7人制サッカー協会を設立し、全国大会の開催やCPサッカー日本代表チーム編成に向けた選考会を開催した。神さんも代表選手に選出されたが、2006年には指導者となり、2009年から2011年には監督としてパラリンピック予選大会となる国際大会へ出場した。地元神奈川県でもチームを結成し、ジュニアチームも作ったことから、近隣都県から約50人の脳性麻痺児が通っている。現在は、CPサッカーの普及と発展、障がい児のためのスポーツ環境の充実に尽力している。
このたび、このような大変名誉ある賞をいただき、本当にありがとうございます。また、表彰式典では、全国において、様々な活動をしている多くの方々と交流し、見聞を広めることができました。とても有意義な1日を過ごすことができ、関係者の方々へ心より感謝いたします。
私が活動している脳性まひ7人制サッカーは、立って行う脳性まひスポーツの中で、唯一の団体スポーツ競技です。
この脳性まひ7人制サッカーは、パラリンピックの正式競技ですが、未だ日本はパラリンピック出場を果たしていません。しかし、2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定しました。脳性まひ7人制サッカーにおいても、東京オリンピック・パラリンピックの実施競技となり、我々日本もホストカントリーとしてパラリンピックへの出場が予定されています。
脳性まひ7人制サッカーは、7年後の東京オリンピック・パラリンピックに向け、ジュニア世代(肢体に障害がある小学生や中学生)の育成を本格的に始動したばかりです。国内で唯一肢体障害者のジュニアチームを持つ NPO法人 CP サッカー&ライフ エスペランサ を中心に、普段の練習の他、Jリーグ(サッカー)やFリーグ(フットサル)で活躍した元プロ選手を指導者として招き、子供たちの成長を導く質の高いトレーニング(平成25年度は6回開催)、陸上競技の専門指導者による「走り方教室」や理学療法士による「動作法トレーニング」を行っています。以上のようなサッカー技術や体力の向上に加え、一流のスポーツマンになるために、スポーツを理解し、スポーツを楽しむための心構えを学ぶ「スポーツマンシップ講座」や、聞く力・話す力の基礎トレーニングで、コミュニケーションする力を身につける「コミュニケーション講座」など、障害児者に社会参加への意欲や社会的スキルを育成するプログラムも実施しています。
これらの事業あるいはプログラムは、脳性まひ7人制サッカーに携わるスタッフの方々の地道な支えと情熱、また、多くの関係諸団体の協力・支援があって成り立っています。2020年東京オリンピック・パラリンピックで好成績、成功することは、とても大事なことですが、これらの活動を通じて、障害のある子供たち自身が、自主的、自立的にスポーツに参加する意欲と行動力を備え、様々なことを学び・経験し、向上心を持って、人として成長することが最大の目的です。
私自身も、社会貢献表彰を受賞したことを励みにし、今まで以上に様々なことを学び・経験し、向上心を持って子供たちとともに成長し続けたいと思います。