東日本大震災における貢献者表彰
特定非営利活動法人 エーキューブ
大震災発生直後から現在に至るまで、仙台市内を中心に宮城県及び周辺被災地域の避難所及び仮設住宅で被災動物の救護活動を行っている。市と獣医師会と共同でペットに関わる情報の収集と発信、ボランティア希望者の対応、市動物管理センターに収容された動物のシッター、救援物資募集、収集、配布を行った。仙台市被災動物救護対策本部設置後はその構成員として避難所や仮設住宅にペットを同行した被災者を訪問し、物資の配布や悩み相談にのる活動を行った。また、市動物管理センターに収容された動物の散歩や躾、シャンプー、トリミングなどをするボランティアを募集し指導する活動や被災動物譲渡会を毎月開催し90頭の犬を新しい飼い主の元へ送り出した。
仙台市健康福祉局 仙台市健康福祉局
「人と動物の共生のために」
仙台市内において本会も被災いたしましたが、発災当初は、各会員が自分たちのできることをしようと動き始めました。
市内においては、仙台市被災動物救護対策本部の構成団体として、仙台市動物管理センターに保護された動物の世話(震災以前からの事業)や、ペットフードの支援、ペットを探している飼い主からの連絡対応、けがや衰弱している犬や猫の通報に対する救護活動も行いました。
この活動と並行して、各会員の住んでいる地区の避難所にいるペット同行避難者の状況調査を始めたところ、あまりにも甚大な被害で死者も多く、助かった被災者たちの厳しい避難所生活の実情が浮き彫りになりました。
またフードやペット用品が手に入らないなど、様々な問題もわかってきたことから、発災一週間後の3月18日から、開院している動物病院やペット用品が手に入る店の情報などをブログで発信し始めました。
その発信で、全国から物資が届き始めました。交通ルートも寸断される中、直接遠くから車で持ち込んでくださる方もおられました。
「早く、そしてより多くの方たちに物資を届けたい!」という思いで「チラシ」を手作りし、避難所や様々な施設で配布をして、困りごと相談窓口を明確に伝えた結果、連絡が続々と入り始めました。
支援活動は、宮城県全域にと広がっていきました。物資を届ける中で、ペットの健康相談、飼育相談にも対応したり、車を流された方には動物病院まで送迎したり、専門学校に協力をお願いし、津波をかぶった犬たちのシャンプーをし、ノミ、ダニの駆除も行いました。
被災者が避難所や仮設住宅でペットと一緒に暮らせるように、署名活動をしたり車中でペットと暮らしている方たちにテントを調達したりと環境整備にも努めました。
支援は、仮設住宅に移られた現在も継続して行っています。仮設住宅では、支援物資の他に集合住宅においての飼い主のマナーアップ・トラブル防止のための「しつけ教室」や環境整備、飼育相談を行っています。
エーキューブは、発足当初から仙台市と協働でペット同行避難の啓発に努めてまいりました。
今回の経験から、ペットが避難所で多くの方たちと生活するためには、日ごろから共同生活を想定したしつけの重要性を再確認しました。
また災害による苦難、疲れ、ストレスも「この子がいることにより癒され、この子のために頑張れた」と多くの飼い主の方が言われ、私どもが支援に行くと飼い主さんたちに笑顔がこぼれ、逆に元気をいただきました。
飼い主にとっては家族同様のペットと普段の生活が取り戻せ、心から笑顔になれる日が一日でも早く訪れることを願っております。
今回の受賞は、家事や仕事の合間を縫って支援活動に奮心してくれた会員や、支援物資や支援金を送ってくださった全国の方々と共にいただいく受賞と受け止め、皆様に感謝申し上げます。ありがとうございます。