東日本大震災における貢献者表彰
石塚観光
茨城県水戸市の観光バス会社は震災により通常業務が実施不可能となり、4月から現在に至るまで宮城県へボランティアバスを、営利を求めない価格設定で運行している。日本全国を始め、アフリカやトルコ、インド、イギリスなどからの参加者やリピーターも多い。また平行して被災地に行けない子供達に土のう袋に応援の絵を描いてもらって現地で使用する「思いやりの心育成プロジエクト」や、津波で流された仙石線の線路跡に菜の花を咲かせる「幸せの黄色い菜の花大作戦」等、行っている。
昨年の東日本大震災は、私達の茨城県にも甚大な被害をもたらせました。突然襲った未曾有の大災害に、大混乱していたことを思い出します。停電する中で、たまたま観光バスを所有していた私達は、観光バスのテレビを利用し、情報収集に努めました。
そのテレビから映し出される映像は、現実とは思えない、あまりにも残酷すぎるものでした。
私たちの茨城でも、立て続けにくる余震に怯えながら、ただ時を過ごしていましたが、報道され流れる宮城・岩手の映像には、あまりにも辛いものがありました。
弊社には気仙沼出身の女子社員がおり、気仙沼が火の海となっている映像に家族への心配が募りました。幸い一週間位後に、無事の確認がとれスタッフー同安堵した事を覚えています。
そんな中、私自身、長年青年会議所(JC)活動を通して交流を続けてきた石巻が、甚大な被害を受けている状況を知りました。2週間位経って、やっと石巻の仲間達と連絡が取れた中で、改めて震災の及ぼした被害が、あまりにひどすぎる事を理解致しました。
そして、青年会議所の仲間と一緒に、取り急ぎ用意できた自転車や燃料など可能な限り持っていけるものを届けに行きました。長年交流し愛着のある石巻は、私の知っている石巻とは全く違う街になっていました。
しかし、そんな中でも石巻の仲間達は、自らも被災し家も流され、会社を失い、多くの友人や知人、身内を亡くしながらも、地元の為にいち早く立ち上がり、地元の方々の為に頑張る姿に涙が止まりませんでした。
そして、一番私が、お世話になってきた先輩が、津波で犠牲になった事を知り、もう涙を止める事は出来ませんでした。
その数日後、再度石巻に入り、一緒に作業を手伝いながら亡くなった先輩の為に…そして頑張る多くの人達の為に何か出来る事は?…そう考え、茨城県社会福祉協議会さんの多大なる協力を得ながら始める事が出来たのが、ボランティアバスの運行でした。
昨年の4月29日に運行を開始させて頂いたボランティアバスは、茨城県内のみならず全国各地や海外からも多くの皆様に参加を頂いております。一年で約12000名様のご参加を頂きながら、現在も運行を継続させて頂いてる事に、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ご参加下さる皆様方以外にも、私達のボランティアバスを多くの方々が支えて下さっています。
子供達が被災地に心を届ける「思いやりの心育成プロジェクト」に使う土のう袋は、青年会議所(JC)の先輩方を中心に2万枚以上の寄付を頂きました。
また被災地を花で彩る「夢いっぱい1愛いっぱい!花いっぱい!プロジェクト」や「菜の花大作戦」には、全国から多くの皆様のご支援ご協力を頂き、取組ませて頂く事が出来ています。
被災地の復旧復興は、まだまだだと感じています。被災地の方々に心からの笑顔が戻るその日まで…支えて下さる皆様と共に「邪魔だから来るな!」と叱られるその時まで、心を寄せながら、これからも取組んで参りたいと思います。
本当に支えて下さる、全ての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
立ち上がろう茨城!日本中の笑顔の為に…
立ち上がろう日本!世界中の笑顔の為に…
心でつなぐ…「さわやかな風」作戦!
本当にありがとうございます。
石塚観光
(石塚サン・トラベル株式会社)
代表取締役 綿引 薫