受賞者紹介

平成24年度

東日本大震災における貢献者表彰

しゃかいふくしほうじん
ふくおかししんたいしょうがいしゃふくしきょうかい

社会福祉法人 福岡市身体障害者福祉協会

(福岡県福岡市中央区)

震災直後より仙台市障害者福祉協会の要請により、3月末日から27日間にわたって「福祉避難所」となった仙台市宮城野障害者福祉センターに職員10名を派遣し、日夜、通常の指定避難所では過ごすことの出来ない高齢者や心身の不自由な避難者の介添えや介護にあたった。

推薦者:財団法人 仙台市障害者福祉協会
社会福祉法人 福岡市身体障害者福祉協会 会長 中原義隆
会長 中原義隆

未曾有の大災害を生じました昨年の東日本大震災より、一年が過ぎました。

あらためて犠牲になられました方々のご冥福をこころよりお祈りいたしますとともに、被災地の一日も早い復興を願っております。

寝室

このたび、福岡市身体障害者福祉協会の活動に対し、社会貢献者表彰の栄誉を賜り、誠にありがたく心よりお礼を申し上げます。また、今回当協会をご推薦いただきました、仙台市障害者福祉協会にも衷心より感謝いたします。

振り返ってみますと、震災直後、同じ「日本身体障害者団体連合会」の会員である仙台市障害者福祉協会の阿部一彦会長へ連絡をとりましたところ、運営施設が福祉避難所に指定され、被災された障害者や高齢者を受け入れているものの、多くの介護職員も被災していることに加え、24時間の運営体制が不可欠とされるため、要員が不足している状況とのことでした。障害をもつ方々の日常生活における介助や障害特性に応じた生活支援には、専門性を活かした支援が必要ですから、これは大きな問題でした。

体操風景

ほどなくして、厚生労働省より福岡市を通して「社会福祉施設等に対する介護職員等の派遣依頼」があり、仙台市への派遣希望を申し出ておりましたところ、すぐに仙台市の福祉避難所(宮城野障害者福祉センター)へ派遣要請を受けました。

すぐさま仙台市障害者福祉協会と打ち合わせを行い、震災後間もない時期でしたが、現地までの移動手段の確保も目途がたち、3月末より職員を2名1組として1週間ずつ、のべ10人を約1か月間派遣し、福祉避難所での支援活動に協力をさせていただきました。

避難されてこられた一人ひとりの状況を知れば、すさまじい経験をされた方ばかりであり、その中で現実にできうる限り精一杯の支援活動を行いましたが、大災害時という困難な状況の中では、避難された方々にとっては充分なものとは言い難い部分もあったことかもしれません。

里心がつかないように
窓が覆われた食堂

我が国は地域により気候的・地理的条件も種々で、それに起因する災害も様々だといえましょう。福祉避難所という存在は、これら災害時には、障害者や高齢者にとっては欠かすことのできない重要な社会資源であること、また、それを充分に活かすのは、日頃培われた人と人との繋がりやネットワークであることを改めて強く認識させられました。このたびの災害緊急時における福祉避難所での避難者された方々の生活や実際の支援活動を通して得たものは、派遣職員のみならず当協会全体としても貴重な経験となっております。

今後も、当事者団体として障害者福祉の一層の向上に努め、また、受賞の栄誉に恥じぬよう努力を続けて参ります所存でございます。このたびは誠にありがとうございました。