東日本大震災における貢献者表彰
ひめじせいまりあびょういん かんごぶ
医療法人財団 姫路聖マリア会
姫路聖マリア病院 看護部
東日本大震災発生後4日目に兵庫県看護協会災害対策本部からの要請を受け、宮城県石巻市に3月23日から6月19日まで計7人(延べ人数30人、約170日)の災害支援ナースを派遣し、兵庫県医師会や薬剤師会とともに救護所の立ち上げ、救護活動を行った。避難所の環境が改善され、感染症の発生も最小限に抑えることが出来るなど活躍した。また気仙沼市では4月2日から7月16日まで計13人(延べ約130人)を派遣し、3ヵ所の避難所で支援体制づくり、衛生管理、健康管理、心のケア、在宅避難者の訪問活動などに取り組んだ。
姫路聖マリア病院看護部では、災害発生4日目の兵庫県看護協会派遣要請に迅速かつ継続的に対応し、3月から6月にかけて170日間にわたり、延べ155名の看護職を災害支援ナースとして被災地に派遣した。
兵庫県看護協会・医師会・薬剤師会が共同で石巻中学校に診療所を開設し、周囲の避難所の巡回診療を3月21日〜6月19日まで行った。当院の看護師は、3月23日から2名ずつ連続して3班派遣した。大震災から約2週間経過していたが、慢性疾患の患者の増悪が顕著で健康管理については、手つかずの状態であった。診療所の環境整備・避難所の環境整備・診療介助・慢性疾患患者のフォロー・など行った。活動中はチーム医療の大切さと行政・避難所となっている学校の教師、他のボランティア団体との連携の大切さを感じた。また、ライフラインや支援物資、避難者の数など日々変化する状況の中、情報収集と情報共有の重要性を感じた。
気仙沼市では、行政関係者と共に4月2日から避難所支援を行った。総合体育館・階上中学校・鹿折中学校の生活環境の整備や、避難者の健康チェック、異常の早期発見に努め医療班へつなぐなどの活動を行った。また、周辺地域の地図をたよりに一軒一軒訪問し、家族の安否や健康状態・不足している支援物資について、確認していった。「自分だけではなく皆がつらいのだ。」という思いが、支えにもなっているし、不安やショックを表出しにくい原因にもなっていると感じた。また、阪神大震災を経験した兵庫県から、長期にわたって支援に入っていたため、感謝の言葉を聞く事が多く、その気づかいに私達が元気をもらう事が多かった。
当院は、キリスト教の理念に基づき、他者のために、必要とされる時に迅速に対応することを使命としている。災害支援ナースとして、「被災地の役にたちたい。」という思いを、実行に移せたことは、姫路聖マリア会のバックアップ、兵庫県看護協会関係者の皆様および共に災害支援活動を行なったチームの皆様や被災地の皆様の支えとご協力によるものと、心から感謝いたします。今後も様々な形で支援活動を継続すること、当院の災害支援看護師の増員と教育の継続を図り、社会のお役に立てる看護職であるよう努力して参ります。