受賞者紹介

平成24年度

東日本大震災における貢献者表彰

きむら みつよし

木村 光善

(42歳:埼玉県戸田市)
木村 光善

震災発生後、直ぐに埼玉県から車で名取に12時間かけて到着し、沿岸地区に救援に入った。腰まである海水と瓦礫の中に建っていた一軒家で、びしょ濡れの布団で震えている老女を発見し、救出した。その後も夏ごろまで仕事の休みに毎週のようにボランティア活動を行った。物資支援として数回にわたり、自費で近所の八百屋の野菜を丸ごと買占め、他に集めた物資と共に被災地に運んだ。

推薦者:小林 直樹

3月11日。

勤務中に大きな揺れ。

ラジオでは東北、関東で大きな地震があり、大津波警報を繰返し叫んでいる。とにかく北へ。

名取市には連携している障害者支援のNPOもある。すぐに仕事を片付け、水、食料など救援物資と、チェンソーなど救助工具を積載し、4号線を北へ。土砂崩れなどで迂回を強いられながら、深夜3時頃名取市に到着し、仲間の無事を確認。新潟の災害救援隊風組とも合流し、日の出と共に閑上地区に救援に入る。

見渡す限りの瓦礫と水。

夜通し道路開通し、湯気を上げている重機、遠くにはコンビナートが爆発し大きな黒煙が見える。車を捨て歩くと、あるお宅の前でおばあちゃんがずぶ濡れのまま横たわっていた。自衛隊も消防からも見落とされていた。目の前が瓦礫の山で担架もない。しかしこの気温では長く持たないかもしれないと思い、私がおばあちゃんをおぶって、風組が目の前の瓦礫を掻き分け、500メートルほど離れた場所にいた救急隊に引き渡しました。

私が救助をしていた頃、次々に到着した仲間がガソリンの供給や炊き出しなどをしていた。

仲間のバックアップがなければ出来なかった活動であり、感謝すると共に、共助の大切さを改めて感じた震災でした。

  • ずぶ濡れのおばあさんが取り残されていた
  • 救助したおばあさんを背負って救急隊へ
  • 震災翌日の名取市内
  • 震災翌日の名取市内