社会貢献の功績
NPO法人 希望の車いす
日本国内の老人介護施設やリース会社や個人から不要になった車いすの寄贈を受け、ボランティアの手で完全に修理、整備して磨きあげ、アジアに贈る活動を10年続けている。現地までの輸送は出張者や旅行者のボランテイアを募り飛行機で運ぶか、企業の支援協力を得てコンテナで運んでいる。これまで12ヶ国に合計550台以上の車いすを寄贈した。
車いすがあれば動くことができる、希望が持てる、人生が変わる。私たちはこんな車いすの可能性を信じている人々が、手を取り合っているネットワークです。日本で使われなくなった車いすを回収し、必要としている人々にギフトとして贈っています。回収した車いすは、クリーニングされ、念入りに整備されて、海外に送り出されます。
この活動は、山形県に住んでいた3歳のダニエル君が、病にかかり車いすの生活を余議なくされた時から始まりました。障害を持つ子供のための医療システムが日本には確立されているので、ダニエル君はその恩恵を受けることが出来ました。しかし世界には適切なサポートを受けられない人々が、2千万人いると言われています。障害のある人は車いすがなくては、孤独のまま、社会とのコンタクトが取れません。障害者の人生を奪ってしまうだけでなく、社会もその人に活躍の場を提供できないことは損失です。
ダニエル君の母親は、日本で育児ができたことを心から感謝していました。同時に、車いすを必要としている人のところに、なんとかして届けたいという想いが強くなりました。
00年の秋ごろから友人と使われなくなった車いすを回収し始めて以来、今日までに12のアジアの国々に550以上もの車いすが届けられました。プロジェクトが大きくなるにつれ、2008年にはNPO法人の認証を得ました。
クリーニング・整備して贈呈した車いすには、子どもや年老いた方が乗ります。ですから、私たちは新品同様にクリーニングするよう心がけるだけでなく、利用者の立場に立ってボランティアは高い基準と厳しい目で作業しています。
車いすの輸送に関しては、航空会社のご協力をいただいています。旅行者が車いすを飛行機で運搬する場合、自分は機内持ち込みの手荷物だけにして、車いすを運んでくださる方もいます。もう一つの方法は船でコンテナ単位で100台以上まとめて運ぶ方法です。これまでに20フィートコンテナで沢山の車いすをモンゴル、フィリピン、タイに、船会社と商社のご協力を得て届けてきました。伊藤忠商事グループからは社会貢献活動の一環としてタイへの輸送費を全額支援して頂き、心から感謝しています。来年早々にはカンボジアにコンテナで100台送る予定です。
私たちは自らの向上のために、12月には理学療法士を招いて体に合った車いすという話を伺う計画もあります。一方で資金集めの方策には常に苦労が絶えません。そうした中で、聖書キリスト教会が会堂5階部分を無償で私たちに提供して下さっていることは、大きな助けです。
また、車いすを受け取る国々で、包括的なアプローチをしてくれるパートナーを求めています。ただ届けるだけではなく、その後も不具合はないかなどの、定期的に点検訪問をしてほしいと願っています。また、パートナーから、車いすを受け取った人の写真やビデオを送ってもらい、車いすの元々の提供者に見てもらいたいのです。
日本国内でも、パートナーシップを構築し地域社会とのつながりを大切にしていきたいと願っております。様々な技術や才能を持ったボランティアが集まっています。この働きは、その技術において、誠実さにおいて、意欲において向上し続けています。車いすを通して、もっともっと多くの人に希望の贈り物を届けたいと願っております。