社会貢献の功績
NPO法人 自殺防止ネットワーク風
平成4年頃、成田市の僧侶である代表者のもとに自死を示唆する人が訪ねて相談に来るようになったことから、相談活動を始めた。その後NPO法人を結成し、各地で独自に自死防止活動に取り組んでいる僧侶の方々43ヶ 寺が宗派に関係なく24時間対応のネットワークの相談所を担い自死防止活動を続けられている。
「手まり学園」理事長 藤木 隆宣
活動の契機
代表の篠原鋭一が、およそ二十年前に、自死志願の青年の訪問を受け、八ヶ月間寝食を共にしながら再び生きる道へと進ませたことが、口こみで、地方新聞で公表され、日毎に相談者が増えて行ったことがきっかけでした。
今年8月までに約七千人の自死志願者と面談を行っています。
軌道に乗るまでの苦労
覚悟の上始めたことですから苦労とは言えませんが、自死防止活動に対しての無関心無理解は日本社会独特のものがあり、死を見つめておいでの方々がたいへん悩んだ末に訪問されるという 、いわば窓口のハードルを低くでき得ない現実に試行錯誤の毎日でした。
対話活動実行のポイント
- とことん聞く
- 時を問わない
- まるごと受け止める
- 友達になる・上下関係をつくらない
- 相談者から先へ向かう言葉が出るまで待つ
- 高齢者はこちらから訪問する
- 精神科医師との連携を深める
- イベントへの参加による人間関係づくり
- 宿泊希望者も受け入れる
- 地域の理解を得る
皆さんにお願いです
自死は「自己責任」ではなく「連帯責任」です。
我々は自殺の問題を考える時に2つ、これだけは覚えておかなければなりません。この自殺問題というのは、人ごとではなく、我々連帯責任において解決しなければならない問題であるということ。そして、人間というものは孤独ではまだ死にません。孤立をしたときにこそ、本当に自らの命を絶つしか方法はないなというところまで行くんだと。だから、我々は常に孤立をしない状態、孤立をさせてはいけない環境をお互いつくり合うことこそが今必要なのです。だから、寄り添うのです。ときには温かな心優しいおせっかいを焼くのです。命を絶つ、あるいは自 ら命を絶ちたいと思っている若者に言うのです。「とにかくちょっと待とうよ」と。
どうかめんどうと思わないで「対話」を実行して下さい
- 関心を持つと同時に行動に移して下さい。
- 若者へ「慈愛のおせっかい」をやいて下さい。
- 孤独な高齢者に「お元気ですかコール」を発信して下さい。
人生は一人では生きられません
人間は、この世で生を受けて、そして人間として生きる。ということは、自分以外の人との関わりによって生きる。ならば人に迷惑をかけないで生きられるわけがないんです。迷惑をかけたらいいんです。ただそこで止まってしまってはだめなんで、人間というのは、人に迷惑をかけないで生きられるわけはないのだから、逆に人からの迷惑も喜んでいただきなさいという、ここのところを合わせて迷惑をかけたりかけられたりして生きるのが人間なんだという関係です。ところが、この関係がぷつんと切れてしまって、初めにお話しをした孤立という状態になって、そこから死という選択が出てくるんです。
どうか皆さん、身近な方々に自死という、命を絶つということが起きるような環境を何とかお互いの手によって壊していきましょう。お互いにこの世に命をいただいたんですから。若いお母さんは子どもを「つくる」とおっしゃるけれども、子どもはつくるものじゃないんです。命は授かるものなんです。
どうぞこの授かった命を、自分も自分以外の人も大切に大切にして、二度とない人生を生き抜け るような社会をお互いがつくりたいと思います。
今後の課題
- 中学生、高校生ぐらいからの「いのちの重さ」「いのちの 大切さ」についての教育をしましょう。
- 地域のコミュニティの再生。祭りやイベントによって地 域社会で共生する。お互いの顔が見えるような環境を作りましょう。
- 「自死を考えている人」「うつ病などで苦しんでいる人」「自死遺族の方」に対する偏見や差別意識を持つ地域社会を作ることはやめましょう。
- いつでも気軽に相談できる窓口や安心して話のできる相談員を市町村に増やしましょう。電話一本あるだけで多くの人々が相談できます。
※皆さまのご理解とお力添えを心よりお願い申し上げます。
"Kaze" (Wind) NPO Suicide Prevention Network
Recommended by Mr. Ryusen Fujiki, Presidnt, Kiun Kai