社会貢献の功績
認知症を支える家族の会
かまくらりんどうのかい会
「かまくらりんどうの会」(「りんどうの会」)は、認知症(当時は痴呆症)が社会的な問題となりつつあった昭和60年前後、鎌倉市や同保健所、同社会福祉協議会の後援で開催された「痴呆老人を抱える家族のつどい」に参加した家族により平成元年に自助団体として発足した。
その後家族で出来る介護の知恵を分かち合い、家族間の横のつながりを持ち、理解促進、そして福祉の向上を図ることを目的に活動している。現在、会の代表は同病の奥さんの介護を続ける木場貞雅さん(67歳)である。
「りんどうの会」の発足当初は、16人の会員であったが、その後約20年を経た現在、152人に増加している。全国的な組織である「認知症の会」があるにもかかわらず、より直接的な市民の会としての意義がうかがわれる。
会員は同病の人を介護している人(A会員72人)、介護した経験のある人(A’会員30人)、目的の賛同者(B会員50人)で構成され、会費により運営されている。
活動は会員内の情報交換による同病への対応から、毎月発行する会報による医療、福祉などの情報の提供や「りんどうテレフォン」を開設し、一般の人を対象にした悩みの相談まで範囲は拡がり、市側にとっても同病の介護の問題やニーズを把握する貴重な存在になっている。また福祉政策の一端を担う団体として側面的な協力もしている。
同病は、時として特異行動があり、それが問題行動として一般施設では受け入れてもらえない。そのような場合の「かけこみ寺」として、「りんどうの会」は同市に同病専門の病床を設置し、利用出来る施設の提供を依頼するために市民3,672名の署名を集め要望書を提出中である。
高齢化社会を迎えるなかで、同病は地域で誰もが抱える問題であり、他人事ではない。「りんどうの会」は、同病の高齢者が家族と共に地域で平和に暮らせるために活動を続けている。
受賞の言葉
私たちの会は認知症の人を助け、認知症の人の家族を助け、問題を1人で抱え込まないで相談に来てください、と声賭けをして20年、無我夢中で過ごしてきました活動が走馬灯のように胸に去来し今回のご褒美はかまくらりんどうの会150人強の会員全員がいただいたのだと心から思いました。推薦をいただきました社会福祉協議会の役員さんにお越しいただき、私共の会からは12名出席させていただきまして感激の為皆涙いたしました。