社会貢献の功績
ボランティアサークル 護美の会
「護美の会」(「サークル」)は会長の吉田キミ子さん(69歳)を中心に活動が行われている。
吉田さんは夫に先立たれたが(昭和49年)、須賀川市朝日田で理容店を営み2人の娘さんを育てた。その中で30年以上もお年寄り宅を巡回し、ボランティアによる散髪などのサービスをしていた。
理容店を長女夫婦が継ぐなかで、自宅近くの公園の空き缶とごみ拾いをするうちに、木造トミ子さん(副会長・71歳)などと知り合い、平成9年頃から会として本格的に空き缶集めを始めた。
空き缶の回収は、最初は手作業で始まり、その量が多くなり自転車を使い、現在は回収活動の話が広まり、病院や会社などでも集めてくれるところから、自家用車を使用している。車に臭いがつくが、そんなことは言ってられない。
空き缶を集め、それを換金するために行われている一連の作業は、毎早朝自転車や自家用車で集めた空き缶をビニール袋に入れ、自宅脇の空き地(地主などの協力)に保管し、1ヵ月に1回3~4人で4トントラック(自家用トラック付で運転手さんのボランティア)に積み込む。
大体ほぼ一杯の状態になるという。そのままトラックに同乗し、集積所に行き、袋から缶を取り出し、機械で缶を潰し、パッケージにして料金換算(大体5万円位)する。自宅に戻り、回収した袋を洗いそれを干して再度使用する。
この作業により1年で50~60万円となり、値引きによる協力で1台7万円程の車椅子を7~8台購入し寄贈している。夏もさることながら冬は体中に携帯用カイロを巻いてのきつい作業となり、多い時は13人に増えた協力者も現在は4人程になっている。
吉田さんは、今年4月に病気で入院した。車の運転も止められている。もともと車椅子の寄贈が100台になったら、終わりにしようという家族のと約束もあったという。それが現在113台の寄贈を達成している。
空き缶集めの活動は、保管場所の地主さん、それに隣接する小学校、そして病院や会社などの協力に広がり、きれいな街づくりにもなる。
吉田さんは、「活動仲間との作業後の反省会やたまに行く温泉旅行が楽しくて続けられる。」と病にも負けず収集活動を続けて行くという。
受賞の言葉
ほんの些細な心掛けから始まった空き缶集め。周囲の方々から支えられ、十数年もの間続けてくる事ができ、又、今回このような栄えある受賞に大変感謝しております。今後も地元の方々に少しでも貢献できるよう頑張って続けていきたいと思います。