平成15年度 社会貢献者表彰
第二部門/多年にわたる功労
よしなり かつお
吉成 勝男
(昭25. 6. 1生/東京都 板橋区)
1987年、私財を投じて外国人支援ボランティア団体を設立し、16年にわたり外国籍住民からの相談に応じ、生活を支援し、地域における日本人と外国籍住民との平和で健全な多文化共生の街づくりに貢献されている。
推薦者:山田 正記
1980年代以降、日本に海外からやって来た「ニューカマー」と呼ばれる外国籍住民が急増した。その人々の多くは、日本での医療、労働、国際結婚、子どもの教育等々、さまざまな問題を抱えていた。吉成さんは、1987年に私財を投じて外国人支援ボランティア団体「ASIAN PEOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY(略称APFS)」を東京都板橋区に設立し、以来約15年にわたり外国籍住民の生活支援やパソコン教室の開催、交流パーティ、バスツアーなどを行ってきた。
支援は多岐にわたり様々な専門知識を要するため勉強は欠かせない。支援の中には犯罪や暴力団が絡む場合もあり、身の危険を感じることもあった。これまで支援した外国籍住民は延べ2,760人にのぼっている。まさに“外国籍住民の駆け込み寺”といえる。
更に、外国籍住民からの支援や相談に応じるだけではなく、地域における外国籍住民と日本人との平和で健全な“多文化共生”のための街づくりを目指し、地域商店街後援の民族フェアや、地域関係者を招いてのシンポジウムを毎年開催するなど、地域における外国籍住民たちと日本人社会との橋渡し的な存在になっている。
受賞の言葉
いま日本には200万人近くの外国人が居住しています。近年、これらの人達の定住化傾向が顕著となっています。しかし、日本社会はいまだ外国人を大量に受け入れた経験がないことから、様々な問題が起きています。今回の受賞を契機として、在日外国人の人権を擁護し、共に生きる社会をつくるために力を注ぎたいと思います。