受賞者紹介

平成14年度 社会貢献者表彰

第三分野/特定分野の功績

21世紀若者賞
ふじの りょうた

藤野 良太

(昭56. 6.11生)千葉県千葉市
藤野 良太
「2002クラブアフガン・プロジェクト」の代表として、戦乱に苦しみ、サッカーを禁じられていたアフガニスタンの子供たちに、ワールドカップ開催国の日本からのサッカーの贈り物として、街頭テレビやアンテナ、ボールやウェアを送った。またサッカー大会「ピースカップ」を主催した。
推薦者:社会貢献支援財団 事務局

平成14年1月に大学一年生の藤野良太さんは、インターネットでアフガニスタンの写真やコラムを見た。同国はもともとサッカーが盛んで、子供たちの大きな楽しみとなっていることを知った。サッカー好きだった藤野さんは、戦乱に苦しんだアフガニスタンの子供たちには、食糧・医療品のほかに、心の潤いも必要ではないかと考え、「ワールドカップ開催国の日本からサッカーの贈り物をしよう。カブール市内にW杯が見られるよう公開テレビを」と友人たちに呼び掛けた。藤野さんを代表として、大学生・会社員らサッカー好きの20代の若者約60人が集まり、「2002クラブ・アフガンプロジェクト」は2月にスタートした。計画は、カブール市内2ヶ所に公開テレビを設置する「W杯放映プロジェクト」、サッカーボールやウェアを寄附する「フレンズボールプロジェクト」、そのボールやウェアを使ったサッカー大会「ピースカップ」の開催の3つとした。アフガニスタン政府、カブール市が全面的に協力することになった。アブドラ外相からは「いい計画だ。感謝している。ぜひ助けてください」との言葉を得た。

ホームページ等で一口1,000円の募金を開始した。プロジェクトはマスメディアでも繰り返し好意的に報じられたこともあり、最終的に予定額の360万円を無事に集めることができた。また国際宅配便会社による無料配送協力、スポーツメーカーによるウェア100着あまりの提供など、企業等からの協力も得られた。

カブール市内に公開テレビが設置され、ワールドカップ開催の6月を迎えた。テレビの前には人々が集まって中継映像に熱狂した。そしてプロジェクトによって提供されたウェアとボールによって、ピースカップが開催された。こうしてアフガンの子どもたちに喜びを持って迎えられた3つのプロジェクトは、成功裡に終了した。