第三分野/特定分野の功績
エドワルド ハインリック サンチェス
ケネス イーマン
多和田 栄作
沖縄インターナショナルクリーンビーチクラブ(OICBC)のエドワルド ハインリック サンチェスさん、ケネス イーマンさん、多和田 栄作さんは、ボランティアで沖縄県内の海浜清掃を定期的に実施するなど、沖縄の環境問題に対して様々な形で取り組んでいる。
サンチェスさんは、平成3年に沖縄に移住、恩納村の観光施設で働き始めたが、ゴミだらけの海岸に心を痛め、清掃を自分の子どもたちと始めた。翌年、同じように恩納村の海岸清掃をしていたイーマンさんと知り合い、二人は多和田さんはじめ、友人たちに声をかけてOICBCを結成した。3人はOICBCの中心人物として活動を続け、現在に至るまで11年間沖縄の海浜清掃を続けている。スタッフは約15名で、3月から11月までの毎月第3日曜日に行う清掃には毎月約50人ほどが参加する。
平成5年3月にはI LOVE OKINAWAキャンペーン(全県一斉海浜清掃)を開始し、同年9月にはアメリカの団体・海洋保護センター(The Ocean Conservancy)が提唱する国際ビーチクリーンアップ活動に、OICBCは沖縄代表として参加した。以後、9月の国際ビーチクリーンアップデイに集めたゴミのデータはレポートにまとめられ、沖縄県や日本環境ネットワーク(JEAN)、海洋保護センターへ送られ、海洋ゴミの統計データ資料として活用されている。サンチェスさんたちの呼びかけによって、9月のキャンペーンの参加者は2,000人以上に増え、毎月の清掃参加者の累計は延べ約25,000人に上る。
3人は「活動は地元で、考え方は世界的に」をスローガンに活動を続け、平成7年に沖縄O.C.E.A.N.(沖縄海洋文化と自然環境保護ネットワーク)を設立し、以後、webサイト立ち上げや、小学校低学年向けの日本語版海洋憲章を制作し国連に送付する企画などを実施した。近年は特に次世代を担う子供たちに対しての環境教育に力を注いでおり、小学生を対象とした海洋文化保全に関するカリキュラム作りや、「ジュニアクリーンビーチクラブ」の設立などを行っている。将来は沖縄、キューバ、カナリア諸島、ハワイなどの子供たちをネットで結び、国際的なレベルで活動を広げる予定である。
「やめようと思ったことは何度もあるが、キャンペーンに参加した子どもから礼状を貰ったりするのが支え」とサンチェスさんは語る。サンチェスさんの自宅を事務局としてスタートしたOICBCでは、スタッフは手弁当で参加するなど、低コストを徹底して心がけているが、海洋保護ステーションとして真栄田岬に事務局を移転するなど、組織や活動範囲の拡大に伴うスタッフの負担が大きくなっている。NPOとして運営資金不足という問題を抱えながらも、他の環境保護団体とのネットワーク作りなど将来へ向けての展望を持ち、3人は努力を続けている。
【脚注】
OICBC ホームページ
http://www.okinawaocean.wwma.net/
TEL:098-965-5371