受賞者紹介

第62回 社会貢献者表彰
おおむらさとやまむらづくりいいんかい

NPO法人 おおむら里山村づくり委員会

(長崎県)
NPO法人 おおむら里山村づくり委員会 理事長 加固 治男
理事長 加固 治男

今日、日本全国で問題になっている放置され荒廃した山や森。"使われない公有地を使える共有地にしよう"をスローガンに、環境保全と子どもが自然を体感・学ぶ場、また音楽会等の芸術の場として5ヘクタールの山林を県から借り、人々が集まる取り組みを行っている。JR大村駅にも近い旧県立高校みかん実習地で傍の棚田越しには大村湾を臨むことができ、13年前から地区活性化協議会の支援下、会員・ボランティアの手で市民参加型ふれあいの場を目指し、ドングリの森やモミジロード作りを進める一方、東屋・バイオトイレ・ピザ石窯・ビオトープや森の音楽堂等を作り、また草木染・薬膳や俳句会・交流コンサートを開催、そして圃場では腐葉土によるサツマイモ、大豆等無農薬野菜作り、森ではシイタケ栽培・栗拾い、自然観察会、またニホンミツバチ養蜂を行っている。子育て支援ではプレーパーク(子ども冒険遊び場づくり)を開設、恵まれた自然環境の中で子どもたちは自らが遊びをつくり、生きる力を身につける。泥んこ・焚火・木登り、カエルやカブトムシに夢中で「ここは天国だ!」と叫ぶ。森の幼稚園、森の音色を聴きに来る学童、ボーイスカウトやオルタナティブスクールもこの地を利用している。

推薦者:大村市 大村市長職務代理者 大村市副市長 山下 健一郎

この度の受賞は全く思いがけないものでした。選考いただいた皆様に感謝いたします。

振り返ってみますと、この活動が長く続いていますのは、思いと基本構想、そして運と人脈と多くの仲間にあり、また会計を務めた家内との二人三脚で進めることが出来たことも大きいと思います。

リタイア後、家内の故郷に移住、人生後半の仕事は市民参加型エコビレッジを作る、との「思い」がありました。長崎県Webで広大な遊休県有地が3年後には競売、との情報を見つけたことにより、基本構想「豊かな里山環境保全の為、自らの手で共感する者たちと一緒に各世代の為の居場所として共有地を創り出していく」を纏め、企画書を県に申請。その後、県との3年に亘る貸付交渉で漸く、地縁団体を入れた三者契約案が提示され、丁度平成23年度発足の市の補助事業住民主導型地域活性化事業協議会が入るという幸運に恵まれました。

平成24年度借用開始後は、県森林環境税等の補助金を元に開墾、ツリーハウスや東屋、バイオトイレ、ピザ石窯、また野菜作りを大人たち(その後多くが会員へ)が楽しみ、その後子育て世代のための子ども冒険遊び場づくり活動(プレーパーク)が始まりました。今や本会正会員の半分を占め、子どもたちが自由に遊びを創りだす場で県内では第1号です。

 人脈づくりは、移住後すぐ始めた菜の花プロジェクト、現地近くのみかん園を借り、農家との関係を作り、空き店舗商店街研究員となり、多方面の人材との関係を築いて行きました。一方地元市役所への理解・協力を得る為、関係部署や議会への陳情(市による当地借地化)や県公募型協働事業への提案も行いました。これらの活動を通して市内外の人材発見やネットワーク構築ができました。

今後の展望は人手不足問題の解決。高齢化対策では草刈等は一部シルバー人材センターに外注を図り、プレーパークは、これからも参加が増えると見込まれるため、地元市が事業として取り組むことや子ども条例制定もお願いして行きたいと思います。

子どもたちの元気な姿が見られ、芋掘りや草木染を楽しみ、森の音楽堂からは音楽が生まれ、里山俳句も詠まれる恵みがある、この空間、南に棚田、西に大村湾を望むことのできるこの地を次世代にバトンタッチして行きたいです。

 今の子どもたちが、いつかここに親となってわが子を連れて来る日が待ち遠しいです

  • サツマイモ収穫
    サツマイモ収穫
  • ターザンごっこ
    ターザンごっこ
  • プレーパークこどもまつり
    プレーパークこどもまつり
  • 桑の実採り
    桑の実採り
  • 穴ぼこ階段づくり
    穴ぼこ階段づくり
  • 森の音楽堂づくり
    森の音楽堂づくり
  • 森の音楽堂交流コンサート
    森の音楽堂交流コンサート
  • 森の音楽堂壁画づくり
    森の音楽堂壁画づくり
  • 親子のクヌギ植樹祭
    親子のクヌギ植樹祭
  • 草木染教室
    草木染教室
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