ハンド&ネイルケアボランティアチーム ガンチー

高齢者施設や障がい者施設などの福祉施設に*福祉ネイリストらが訪問し、無償でハンド&ネイルケアを施す活動を行っている。代表を務める松本知美さんと副代表の岩田亜希子さんはフルタイム勤務の傍ら、福祉ネイリストの資格を取得。地元のデイサービスを訪問しボランティアで施術すると、当事者の反応はもちろんのこと、その様子を見た家族や施設職員までもが喜び、福祉にかかわるすべての人の負担軽減やモチベーションアップ・維持に意義あることと感じ、2020年にチームとして活動することとした。2021年10月からは、京都府警察と、2022年11月からは京都市消防局と協働事業をスタート。高齢者の交通事故や特殊詐欺被害や火災や熱中症を防止する目的として署員と共に高齢者施設やサロンに出向き、署員の講話講習とともに「サギ注意・火の用心」等の特注ネイルシールを活用した安心安全の啓発広報活動にも継続的に取り組み、講話だけでなくネイル施術により、抑止力が長く続き、以降周囲の方とも、話すきっかけになると好評である。年々、体験人数は増え続け、2023年度は、年間1,500名に施術した。
*福祉ネイリスト:高齢者や障がいを持つ方、病気を抱えた方にネイルケアを通して笑顔になってもらうことを目的とした認定制度
こんにちは。ハンド&ネイルケアボランティアチーム ガンチー代表・松本 知美と申します。
この度の受賞により、私たちの活動をたくさんの方に知っていただくことができ、心から嬉しく思います。
2019年、初めて、現副代表である友人と高齢者施設にネイルボランティアに行きました。施術後の高齢者、施設職員、介護するご家族の反応に心が震え、ネイルが持つ魅力、笑顔にする力の大きさが想像以上で、とても驚きました。
「当事者のみならず、介護、福祉に関わるすべての方を笑顔にする力がある!この活動を広めていかなくてはいけない!」と勝手な使命感を覚え、友人と二人でこの団体を立ち上げました。
その後、すぐにコロナ禍が訪れ、当時は今思い出しても、大変なことばかりでした。ですが、これまでの人生で私を作り上げてきた経験で培った「なにくそ精神」が、より私を奮い立たせてくれました。あの時、あきらめなくて良かった!現在も施設訪問でたくさんの笑顔に出会う度に、そう感じています。
海外では、幼少期から無償の愛を他人に分けることに対して教育を受け、ボランティア、社会貢献、奉仕は当たり前のことですが、日本では、残念ながらそういった教育環境がなく、ボランティアをすることに対して「恥ずかしい」「偽善的」という風潮があります。
強要するわけではなく、それぞれがそれぞれに出来ることをする、ただそれだけのことです。ごみを拾う、困っている人に対して声をかけるなどどんな小さなこと、何でも良いと思うんです。もちろん、断られることや拒否されることもあります。でも、行動せずに後から「大丈夫だっただろうか」と後悔するより「困ってなかったんだ、良かった」と思えた方が幸せです。
私自身、これまで自分の思うまま自分が楽しいことに全力で取り組み、自由に生きてきました。そんな私が、まさかボランティアをすることになるとは思いもしませんでした。ですが、ボランティアをする前と後では全く異なり、生活に彩りが生まれました。ボランティアをする側なのに、自分自身が笑顔に、より幸せになりました。幸せを感じる力やアンテナが敏感になったのかもしれません。
大変なことや悲しいな、悔しい、ということもこの短い期間でもたくさんありました。ですが、今回、私たちの活動が社会には必要だと、認めていただけました。このような機会をいただき、心から嬉しくそして感謝の気持ちでいっぱいです。この度の受賞は、2人ではできなかったことも、同じ志を持つ仲間が1人、また1人と増え活動を広げることができた結果です。また、それを支援してくださった団体様、個人の皆様のおかげです。そして、当団体と関わってくださったすべての方のおかげです。
年を取ることは、ネガティブなことではありません。たとえ認知症になっても「誰もが年を取ることが楽しみになる社会」を目指して、微力ながら、尽力していきたいと思います。
♡ぜひ、私たちの活動をHPや各種SNSなどでご覧いただけると幸いです♡