公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を
アメリカの非営利慈善団体「ギブ・キッズ・ザ・ワールド」の日本唯一の認証団体として2010年に大住力さんが設立した難病の子どもとその家族に向けた支援活動を行う団体。難病を患う子どもとその家族、特に母親は看病に疲れ、兄弟姉妹は気を使いながら生活し、我慢を強いられることが多い。家族全員が楽しい時間を過ごせるように、東京ディズニーランドや沖縄県に2020年に開業したHope&Wishバケーションハウス「青と碧と白と沖縄」などへ、家族全員で旅行をする「ウィッシュ・バケーション」プログラム、外出が困難な家族や緊急性が高い子どものために、病室や自宅などでパーティを開くなど、オーダーメイド出来る「シンデレラ・プログラム」と「スノーホワイト・プログラム」などを実施している。大住さんが株式会社オリエンタルランドに在職中に培った経験を活かし、人材育成研修とボランティア参加がセットになったプログラムを企業向けに行っている。また、難病の子どもを授かった母たちで結成した「女性和太鼓奏団 ひまわりのやうに」の活動を支えるほか、2017年から小児訪問看護ステーション 「ダイジョブ」を開設している。
これまで難病を患う子どもとその家族の支援を、全国で行ってまいりました。団体を設立した当初は、まだ、目の前のご家族に手を差し伸べる程度のサービスだったのが、その現場に入り、お子様やご家族と共に時間を共有することになると、いろいろな環境や状況が見えてきて、その内容は多岐にわたって、いまでは、まだまだ不足していると奮闘している状態です。
今回、本賞を受賞し、表彰式にも列席させていただいて解ったことは、数々の受賞団体と一堂に会することができ、その活動内容を“同志”として教えていただき、その社会的課題の幅の広さと奥の深さを知ることができました。また、それはもちろん、自国、日本国内のみならず、世界中に数々の問題があり、その各所に日本の“同志”たちが、長年にわたって、手を差し伸べていることも解り、大きな学びとなりました。
私たちも自分たちができることを日々、行っておりますが、その奥の深さ、根深さを現場に入るたびに学ばされ、課題を突き付けられています。難病という、現代の日本の先端医療においても、まだまだ解明できない人間の英知を超えた病が数多くあり、その病気のみならず、それを看る母や父、兄弟姉妹の精神的苦痛や悲しみ、そしてさらには社会からの隔絶や認知認識不足による孤立感など社会的健康が不十分な環境も多々、見受けられます。
そしてさらには、たとえ難病を乗り越えたとしても、子どもやその家族に影響を及ぼす貧困、虐待、いじめ、家庭崩壊など、社会的な課題は連鎖的に発生している事態があり、課題の一つ一つをそれぞれの団体が解決するのではなくそれらの関連性を見極め、その時々の状況に応じて、支援団体も各所で連携を図りながら、永続して対応していかねばならないと強く感じています。
今後もこの賞の受賞団体として恥じることの無いように、常に現場に入り込み、最適最重要な支援を提供すべく、スタッフ一丸となって邁進して参ります。
この度は真にありがとうございました。
代表 大住 力