受賞者紹介

第52回 社会貢献者表彰
がくしゅうさぽーと・すこら

学習サポート・スコラ

(神奈川県)
学習サポート・スコラ

「発達障がい」という障がいについてよく知られていない頃から、学校や塾で教えていた教師や講師が対応に苦慮していた経験をもとに、発達障がいに端を発して学習が困難な子どもも通える学習の場(塾)を提供しようと2011年に「学習サポート・スコラ」(スコラ)を開設した。
スコラのマークは、青のハート(心)と黒の頭脳(頭)の両方を育もうとのメッセージが込められ、「みんな学べる、みんな学ぼう」の理念の下で、発達障がいにより様々な困難のある子どもを含め、近隣の小、中学生から高校生や大学生、不登校の生徒、中途退学等により在籍校の無い生徒、日本語を母語としない生徒、さらに社会人までの40名ほどの生徒に12名の講師による1対1の個別学習を中心に保護者、在籍校、医療や相談機関等と連携しながら、より効果的な学習支援を続けている。

推薦者:NPO法人 なんとかなる

学習サポート・スコラは2011年春発足以来、のべ約420名の生徒に個別学習支援を提供してきました。講師陣は学習指導の経験が豊富なので、さらに発達障がいの生徒一人ひとりへの対応の研鑽と工夫を加えていくことが主な取り組みでした。しかし、徐々に外部の専門機関との連携を模索し拡げ、現在では地域の療育機関、医療機関、相談機関、及び在籍校にも連携を仰ぐことができるようになりました。この道筋は、上記のような公的機関や医療機関、或は公教育の場に、スコラのような民間の小さな団体であっても、”困っている子供たちのためには垣根を越えて手を携え協力していこう”と扉を開けて下さる方々があったこと、同時にスコラに信頼を寄せ個人情報はもとより率直な思いを語って下さる保護者の方々の熱意が支えてくれたからに他なりません。

発達障がいを持つ子供たちの中には、二次障害を起こし不登校や引きこもりの状況にあったり、知的な困難を併せ盛ったりするケースも少なくありません。これは当事者と保護者の両方をさらに苦しめます。医療機関や相談機関で発達検査を受けても、せっかくのデータや診断書を活かせず宝の持ち腐れとなっています。保護者はどうやって在籍校の協力や理解を求めれば良いのか、ただ右往左往しています。多くのこうした保護者に寄り添い、この有益な情報を活用して学習面でも”少しずつわかってきた!” “この教科は自信が持てる。”等の自己肯定感を持ってほしいと切望してきました。それらが可能になれば、当事者と保護者の喜びや達成感ばかりでなく、地域の活力の担い手となってくれると考えます。

こうして学習塾としての機能と、関連機関を繋ぐコーディネーターとしての支援的機能を融合させた現在のスタイルになりました。

発達障がいへの支援は、地道で長いスパンの活動が必須です。右肩上がりでスンナリ進むことはほとんどありません。思わず涙を流す保護者の姿や、自分はバカでダメな奴だと沈み込む生徒を何度も目の当たりにしてきました。そのたび、不甲斐ない自分たちが申し訳なく気がめいってしまうことも何度も経験してきました。しかし今回、表彰式典で多くの支援団体や、自らの危険を顧みる余裕などないまま夢中で他の人々を救った方々の素顔に触れ、大きな活力を与えられました。たとえ非力でも、これからも黙々と活動を継続していきたいと強く思います。そして私たちの活動に賛同してくださる人たちを貪欲に見つけ、骨太な団体にしていきたいと決意を新たにしています。

この度は、大変ありがとうございました。

共同代表 沢木 邦子

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