表彰式典

第50回 社会貢献者表彰式典(於:帝国ホテル東京)

受賞者代表挨拶

受賞者代表・青木 義道 さん

受賞者代表・青木 義道 さん

皆様こんにちは。滋賀県から参りました、青木義道と申します。

この度はこのような素晴らしい式典を私たち受賞者のために、盛大な形で開催頂きましたことを、受賞者を代表して感謝を申し上げます。ありがとうございます。

今回の受賞を通しまして、わたしは素晴らしい取り組みを国内外でされている受賞者の皆様とお知り合いになることができ、様々なことを教えて貰うことができました。それが私にとって大きな財産となりました。

特に活動に向けての熱い情熱、今までのご苦労、ご努力、そういったお話を聞いていると心が熱くなることばかりの二日間でした。

そんな受賞者の皆様を代表して今回ご挨拶させて頂くということで、誠に恐縮に思っておりますが、ひと言ご挨拶させていただきたいと思います。

私は滋賀県で公立中学校の教員をしております。皆さんご存知かどうかわかりませんが、滋賀県はブラジルやペルーを中心とした外国籍の住民の方がたくさん在籍されております。私は湖南市にあります日枝中学校という所で教員をしております。日枝中学校は約10%以上が外国籍の生徒です。大半はブラジルの生徒なのですけれども、その子どもたちが日本の学校についていけるような日本語の支援や保護者のサポート、通訳等を日々させて頂いております。

私は学生時代に一年間ブラジルのサンパウロに留学していました。その一年間、言葉や文化の壁でなかなか苦労して現地の方々にすごく助けて頂きました。その恩返しがしたい、そういった思いで日々仕事やボランティアをさせて頂いています。

そのなかでひとつ、私の取り組みをこの時間をお借りして紹介させていただきます。

実は日本の教育現場では、日々たくさんの書類が配布されます。保護者にとってはどの書類が大事か大事でないかというのが理解できずに困っておられる現状を長い間見てきました。

私は子どもたちや保護者に書類の重要性を伝えられるスタンプのようなものが作れないかなと家の中でもよく話していました。あるとき私の妻が私の誕生日にサプライスでこのようなスタンプをプレゼントしてくれました。ちょっと小さくて見えないと思うのですが、ポルトガル語で” Importante! ” 「重要」という意味です。私の似顔絵も描いてあるのですけれども。これを私の妻が特製で作ってくれまして、プレゼントしてくれました。

早速翌日から使用することになりまして、保護者や子どもたちから書類の重要性が凄くわかるようになったと喜んでいただきました。その知らせが色んな地域に伝わることになりまして「このスタンプを欲しい、使いたい」といった嬉しいお声がけを頂くようになりました。そして毎日新聞の全国紙でこういったスタンプの取り組みをご紹介いただくことになりまして、その記事が英訳もされまして世界にも届くことになりました。このニュースを知ったブラジルの国民的な漫画家であられます、マウリッシオ デ ソーザさん、この方はブラジルを代表する漫画家で、日本に住むブラジルの子どもたちや外国籍の子どもたちの教育問題を常に心配されておられました。何か協力したい、このスタンプの取り組みを拡げたい、そういったお声がけをいただきまして、新たな形でこの方の代表作「モニカと仲間たち」のイラスト、かわいらしいイラストのつきました特製のスタンプが作られ全国のブラジルや外国籍の子どもたちが在籍している小中学校や地域に無償で配布されるようになりました。この寄贈運動は現在も続いております。

いち公立教員であります私のささやかなちいさなアイデアだったのですけども、ブラジルの偉大な漫画家の方のご支援、多くの方々のお力添えをいただきまして、このような拡がりを見せていることを非常に嬉しく、感動しております。

以上が私の代表的な取り組みのひとつなのですけれども、活動を振り返りまして何ひとつ私一人で出来たことはなかったと思っております。受賞者の方もそう思っておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。常に活動を理解し、サポートしてくれる家族、活動に賛同し一緒に手を取り合って活動してくれる友人やボランティアの方々、そうした方々のお力添えがあってこそできた取り組みが今回の受賞へ繋がったかと思っています。

受賞者を代表して心より感謝申し上げます。今回の受賞をこれからの活動の励みとし、今後とも一歩一歩前に進めていけたらと思っております。

本日はありがとうございました。

青木義道