会長安倍昭恵の受賞者訪問記

会長安倍昭恵の受賞者訪問記

ブラジル ポルトアレグレ訪問

2023年10月 ブラジル ポルトアレグレ訪問

第51回(2018年)受賞者 森口エミリオ秀幸さん

森口さんはブラジル南部のリオグランデ・ド・スール州ポルトアレグレで医師として公立の大学病院で教鞭を執っています。一方、日本の移民政策でブラジルに渡った日本人、日系移民一世に対して、巡回診療を行っています。日系人一世の方々は移住後、山奥を開墾するしかなく、ポルトガル語を習得する機会のないまま暮し、言葉の壁から病院にかかることが難しかったのです。巡回診療は巡回診療用バスで年間3か月程かけて行われていますが、その現場を訪問しました。

巡回診療は、南日伯援護協会(南伯日系人社会の最大組織)が所有するグラウンドで行われました。日本政府の草の根援助により購入された巡回診療用バスは、普段南日伯援護協会に停められていて、中は10人程が座れるスペースと、森口さんの机と診察台があります。

朝9時には1年に一度の巡回診療を待ちわびた人たちが、それぞれの予約時間に合わせ集まっていました。屋根の下で受付台と問診を行う診療バス、心電図を測るテントが張られ、昼食のための木の板で作った長椅子とテーブルが置かれていました。南日伯援護協会の方々は診療のボランティアもされていました。

受診者は事前に地元のクリニックで血液と尿の検査を受けていて、その結果を持参しています。森口医師は一人40分かけて1年間の体調の変化や心配事について、受診者から話を聞きます。皆さん話したいことが沢山あり長くなってしまうので、森口医師の奥様がストップウォッチで時間を図って終了のお知らせをトランシーバーでしていました。

日系人とお話し、これまでのご苦労や、今の生活について伺ったりしました。

診療を行ったグラウンドの周りに桜の植樹を進めたいと、桜の苗木を植えるセレモニーも行ってくださり、森口医師と一緒に桜を植樹しました。

地元の婦人会の方が作ってくださった和食を昼食にいただきました。日系人の方々は和食が食べたいと思ったら自分たちで作るしかないので、日本に住む私たちよりも和食について詳しいように感じました。

今回の訪問で、森口医師のご祖父様から続いている巡回診療についてより詳細に知ることが出来ました。また日系移民の方々とじっくりお話することができまし、皆さんの存在をを忘れることがないよう、機会があるごとにこの訪問で知った実状を話してゆきたいと思いました。

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