社会貢献の功績
石巻復興きずな新聞舎
石巻復興きずな新聞は、2016年6月創刊。前身である「仮設きずな新聞」(2011年10月.16年3月・ピースボート災害ボランティアセンター発行)は震災5年を機に第113号で終刊したが、その後、同紙編集長や地元ボランティアらが中心となって新団体を設立し、「石巻復興きずな新聞」として復刊した。
「最後のひとりが仮設住宅を出るまで」を目標に、現在も月1回新聞を発行し、宮城県石巻市内の仮設住宅全戸と市中心部の災害公営住宅に配布している。発行部数約6,000部。新聞発行・配布を通して、情報発信による住民の自立促進、訪問・傾聴・みまもり活動による心のケアやつながりづくり、地域ボランティア育成による地域支えあいの仕組みづくり、県外ボランティアの受け入れによる震災の風化防止に取り組んでいる。
当団体の前身である一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター(PBV)では、2011年10月より宮城県石巻市で、仮設住宅の住民の心のケアとコミュニケーションを円滑にする「仮設きずな新聞」の発行・配布、およびサロン活動を実施してきました。「仮設きずな新聞」は創刊当初は週1回、2012年4月からは月2回のペースで発行し、終刊となる2016年3月までに全113号を発行配布してきました。累計発行部数は約623,200部となりました。災害時の緊急支援を行う団体であるPBVは2016年3月、震災から5年という節目を機に石巻での活動を終了することになり、それに伴い「仮設きずな新聞」は終刊となりました。
当団体(石巻復興きずな新聞舎)は、PBVの元職員で、創刊当初から「仮設きずな新聞」に関わり、2012年7月から2016年3月まで同紙編集長および責任者を務めた岩元暁子と、石巻市内外の個人・団体とが協力して設立した団体となります。「最後のひとりが仮設住宅を出るまで」を目標に、仮設住宅入居者向けの支援を継続していくために、PBVから独立して団体設立に至りました。
現在は毎月1回、「石巻復興きずな新聞」(A4判4頁/各号6000部発行)を市内全仮設住宅および市街地の復興公営住宅に無料で配布しています。新聞発行を通した情報発信による住民の自立促進を軸としつつ、新聞配布を通した訪問・傾聴・見守り活動による心のケア、つながりづくり、また地元や県外ボランティアの受入・育成による支え合いの仕組みづくり、やりがいづくり、震災の風化防止を活動理念としています。
多くの方々に支えられ、今日までこの活動を続けることができて、私の人生を誰かの笑顔のために使うことができて、私は本当に幸せ者だと思っています。ですが、この7年間を振り返ってみると、決して楽しいことばかりではなく、辛いこと、苦しいこと、悲しいこと、悔しいことも、沢山たくさんありました。一人静かに枕を濡らしたことも、人前で声を上げて泣いたことも、ストレスで胃が痛くなったことも、悩み過ぎて倒れて救急車で運ばれたことも。両手では数え切れないほどの困難と辛苦を乗り越えて、今があります。
今回の表彰は、活動そのものももちろんですが、これまでの苦労もすべて認めていただいたようで、「続けてきて良かった」という思いを新たにすることができました。この賞の名に恥じぬよう、これからも石巻の仮設住宅・復興公営住宅にお住まいの方々に寄り添った活動を続けていきたいと思います。
代表 岩元 暁子