社会貢献の功績
特定非営利活動法人 人身取引被害者サポートセンター ライトハウス
藤原 志帆子
2004年から東京を拠点に、日本国内での性的搾取を目的とした人身取引被害者への直接支援を行っている。人身取引とは「搾取を目的として暴力や騙し等の手段を使って人権を侵害する行為」でアダルトビデオ出演強要、性風俗産業での従事の強要、児童買春・児童ポルノなどが該当する。これらの被害を受けている人たちは、職場の人や学校の先生に言えない、
親に迷惑を掛けたくない、自分が悪かったから、などの理由で誰にも相談できずにひとりで不安と恐怖に苦しんでいることが殆ど。ライトハウスでは電話やメールLINE、携帯アプリに相談窓口を設け、相談を受けた後、担当の支援員が相談者と直接会って話を聞き、相談者の意志を尊重しながら必要な支援をチーム体制で行う。
人身取引が身近に起きていることを知ってもらうため、学校関係者や行政関係者、一般企業、警察、議員などへ講演や研修を行っている。被害の予防、拡大防止のために啓発パンフレットや漫画、動画作成、イベント、セミナーを開催している。また、政府や関係機関と連携し「人身取引禁止法」の制定を目指して政策提言を行っている。
2018年、法人として初めての賞を社会貢献支援財団様にいただく事になりました。人身取引被害者サポートセンターライトハウスの活動は、日本で起きている重大な人権侵害ですが、まだ認知や対策が日本で進んでいません。そんな中、このような栄えある賞を頂き、職員・理事・ボランティア一同大変勇気付けられています。私たちの地道な活動を長く応援していただき、ご推薦いただいた新宿区更生保護女性会の皆様にも感謝いたします。
ライトハウスは2004年に相談電話を設けて被害者のための支援を始めたNPO団体です。当初は日本に連れられて来たばかりの外国からの女性が性風俗店や売春宿に売られ働かせられる・・そんな相談が多かったのです。しかし、2009年ごろより、日本に住む女子大生が性風俗の仕事をさせられ辞めさせてもらえない、中学生の女の子がいじめの一環で援助交際をさせられている・・という相談が増えていったのです。
人身取引の一つに、児童の性的搾取があります。子どもの買春や、児童ポルノ被害のことで、日本は2000年に法制定、2014年に法改正をしています。
児童買春は日本では「援助交際」や「JKビジネス」などという言葉で表現されることもあります。
児童買春や児童ポルノ被害の相談は年々増えていて、ライトハウスでも、毎年数十件の子どもたちのケースに関わります。警察や児童相談所、医療機関やシェルター等ともに、緊急介入からその後の寄り添い支援まで長期にかかる子もいます。
被害者の声はなかなか相談窓口まで届きません。子どもや若者に限ったことではありませんが、自分に起きていることを犯罪の被害として、助けてと声を出すことはとても力がいります。そんな中、本当に困った時に被害者がそっとLINEなどで相談を寄せてくれることがあります。ただし本当に困って不安でどうしようもなるところまで悪化してしまった時であることも多いです。そのような相談が入ってくるのも、私たちライトハウスの相談員が日々彼・彼女たちとLINEや電話で繋がり続けているからだと思います。
私たちは「Blue Heart」というマンガをつくり、実際に履いてきた相談を元にしたストーリーを通して、若者・子どもたち自身に問題を知ってもらうことも始めています。
団体概要や相談窓口・啓発漫画の情報はこちらから:URL: https://lhj.jp
創設者/理事 藤原 志帆子