社会貢献の功績
山口 和宏
18歳の時、重度の障がいを負い、24時間の介助を必要としているが、障がいを持つ人が支援を受けながらも社会参画して活躍し、楽しく人生を送れる社会づくりに挑戦している。2013年に自ら株式会社LIFEクリエイトを設立し、「障がいを味方に社会イノベーションに挑戦しよう!」という精神のもと、24時間在宅介助派遣事業を行っている。
当事者である山口さんだからこその目線で、利用者の意思を尊重したサービスを提供し、社会的自立を目指すステップアップのノウハウの提供が出来る。また、代表理事を2つの法人で務めている。一般社団法人日本障害者就労支援協会では、障がい者福祉サービスを行っている事業所が就労継続支援事業を始める際や、一般企業が障がいを持つ人を雇用する際に起こる困りごと(事務的な書類の手続きや勤怠管理、経営状況の把握、就労を希望する障がいを持つ人の適正判断やマッチング等)を、独自に開発したクラウドシステムを利用してもらうことで、サポートする事業を行っている。このシステムは60社以上の企業から利用されている。NPO法人国際障がい者活躍社会創造協会では、障がい者の社会参画が理解を促進するため、地域や人が楽しく繋がる機会(車いすで行うハイキング、企業・団体と協力したイベント開催等)を定期的に創出している。
「社会貢献者表彰受賞式典を終えて」
私は18歳で交通事故に遭い生死の淵を彷徨い、命までは取り上げられませんでした。
当時は、命が中途半端にあることを悔い、最大の不幸なことであると考えた時期もありました。死の方がよっぽど楽なことだと感じていた時期が少なくとも3年くらい前まではあったと思います。
重度の障がいを負うということは、自分では何もできず、人様の手を借りることでしか生きることができません。「自分は社会のお荷物」だという声が頭からは離れることはありませんでした。五体満足で元気な頃は、生きるか死ぬか、まさか障がいという中途半端な苦しみの次元が存在することを全く知る余地はありませんでした。
3年前くらいから、「障がいがある」という理由だけで人生を諦めたくない、他人や社会に劣等感を持ちながら、すべて人や社会のせいにして生きたくない、という思いが強くなり、自分のできることから行動を始めました。
色々な方に支えていただきながら、時には、わがままだと言われても、傍から見たらそう思われるかもしれないと頭をよぎっても、自分が幸せでいることが、いずれ他人や社会に恩返しができる道であることを信じて今まで邁進してきました。それを周りで理解して、支えてくれる仲間たちがいたからこそ、今まで苦しくても歩んでこられたと感じております。
自分自身を満たし、支えてくれる仲間に囲まれた環境がある今、今度は私が人様のためにお役に立つ番だとつくづく感じており、今回こういった栄えある賞をいただいたことで私の信念や想い、描くビジョンがより一層強くなったことに大変ありがたく感じております。
関係者のみなさまにはこの場をお借りしまして、心より感謝申し上げます。
私自身はまだ道を歩き始めたばかり。人様のために何ができるのか試行錯誤の連続です。そして、少子高齢化が進む昨今、ヘルパー不足がとても深刻な状態であり、私の生活も日々危ぶまれ桟橋の上を歩いているような状況です。
また、世の中には障がいがあるという理由だけで、施設で囚人のような生活を虐げられ、自分の小さなやりたいこともできない、外の空気も自由に吸えない、そんな方々がいると思うと非常に心が痛みます。
これから残りの人生、障がいの有無にかかわらず、一人でも多くの方が自分の人生を決断する喜びを得られる、「真のユニバーサル社会実現」に向けて邁進していきたいと考えております。
私は、そのための仲間を求めております。もし少しでもご興味ご関心がある方はぜひご連絡いただけますと幸いです。同じビジョンを同志と共に創れること、楽しみにしております。
今回は貴重な機会をありがとうございました。