受賞者紹介

第51回 社会貢献者表彰

人命救助の功績

すずき たかひこ

鈴木 隆彦

(東京都)
鈴木 隆彦

2017年5月17日0時06分頃、京王線桜上水駅の踏切内で、車イスから横転し動けなくなった高齢男性とその車イスを押していた高齢男性の2人を、たまたま通りかかった地元消防団に所属する鈴木隆彦さんが発見した。その時、遮断機が下り始めたため、鈴木さんは「助けなければ!」との思いで踏切内へ入り電車が迫り来る状況下で、動けなくなった男性を抱えて踏切外へ救出した。
鈴木さんが助けた男性は失禁していたが、自身の衣服が汚れることも意に介さず抱きかかえた。

推薦者:林田 智樹
救助の現場となった踏切
救助の現場となった踏切

現在、私は日本赤十字社災害時支援ボランティア、東京消防庁災害時ボランティア、地元社会福祉事業等に積極的に参加し、2020年東京オリンピック、パラリンピックでさらなる社会貢献ができるよう、日々精進しております。

さて、話を戻しまして、その日は、深夜に近所の店に向かう途中でした。京王線桜上水駅の踏切は5車線、25mあり、夜中とは言え電車の行き来が絶えない所です。いわゆる都内でも有数の「開かずの踏切」と呼ばれています。

私が踏切を渡ろうとした時、前方、踏切中央付近で老人を乗せた車椅子が転倒し、その車椅子を押していたもう一人の老人もパニック状態で必死に車椅子を起こそうとしていました。

開いた途端に警報機が鳴って閉まってしまうような踏切で、電車が見えているのも忘れて無我夢中で車椅子に走り寄り、なんとか倒れていた老人を抱えて踏切を押して外へ運び出しました。それを見た通りがかりの2名の方が踏切の反対側から入ってきてくれ、車椅子を押していた男性と車椅子を無事、踏切の外に押し出すことができました。

倒れていた男性は、意識はありましたが恐怖の為か失禁しており、私は着替えるためにその場を去り、帰宅してしまいました。

後日、電鉄会社の防犯カメラによりこの事実が一部始終確認され、京王電鉄管区長から、事故を未然に防いだこうせき功績で表彰されました。思い返せば、あの時は危険を顧みている余裕もなく、行動が先走ってしまいましたが、まずは電車に知らせる非常停止ボタンを押すべきでしたし、110番、119番通報もするべきだったであったと反省しました。

救助された男性がどなただったのか、救助を手伝って下さった方々のお名前すらわかりません。昨今では個人情報保護のためわかっていても教えないもののようですが、今回の表彰にあたり彼らも同様の貢献をしたことを一緒に慶べなかったことが唯一、残念でなりません。

再三ですが、今回は貴重な機会を頂き、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」