人命救助の功績
田上 雅喜
清水 虹平
松浦 宏太
弓田 和久
2016年6月29日、熊本県熊本市西区のJR熊本駅で、ホームから線路上に転落して苦しんでいる女性を発見し、数分後に列車が入線してくる状況にも関わらず、田上さんと清水さんがホームに降りて女性を持ち上げ、松浦さんと弓田さんがホーム上で引き上げた。女性は点字ブロックに足を取られて転落した際、第3腰椎を骨折しており、約2か月の重傷だった。
松浦 宏太
この度は、第50回社会貢献者表彰式典にお呼びいただき誠にありがとうございました。
私たちの些細な行動がこの様な形で大きく表彰されることなど思いもよらない出来事で、初めてお話をいただいたときはとても驚きました。実際に会場に足を運んでみて、私たちの行った行動がとても誇らしいことであるという実感が湧きました。そして、私たちの知らない所でたくさんの人々が人命救助や子どもたちを支援する活動など、様々な形で社会に貢献する活動を行っていることを知りました。
表彰式は、人命救助の功績部と社会貢献の功績部がありました。人命救助の功績11件、私たちの様に、駅のホームで救助を行われた方、川で溺れている人を救助された方、暴れている男から女性を助けられた方などがあり、社会貢献の功績29件では、国内に住む外国人の人々を支援する団体や、外国の子どもたちに教育を受ける場を設けるための活動を行っている方などがありました。
私は、この様にたくさんの方々が素晴らしい活動をされていることを知ることができて本当に良かったと思います。普段、ニュースや新聞などではこうした活動に触れないので、もっとこんなにも素晴らしい活動を行っている方がたくさんいるという所にも目を向けて欲しいと思います。
このように思うのは、もちろんたくさんの方にこうした活動を知って欲しいという思いもありますが、もう一つ理由があります。それは、人命救助の部で表彰を受けておられた佐々木淳さんです。佐々木さんは溺れていた男性を救助するために海に入った後、溺れていた男性を一緒に救助に向かった人と協力し男性を救助されましたが、波の勢いが強く戻ることができずにその場で命を落とされました。その場所は過去にも水難事故が発生し死亡者が出ている場所だったようです。佐々木さんは密漁を防ぐために巡回監視を行っていた最中に救助活動を行われ命を落としました。この佐々木さんの勇気ある行動で一人の命が救われましたが、過去にも同様の事故が起きている場所であれば、近づかないという意識があってもおかしくはないと思います。新聞やニュースでこういった事故などを扱い、佐々木さんの行動を次の事故が起こらない様に繫げていってほしいと思いました。
私は、今回この表彰式に参加して本当に良かったと思います。その理由が残り二つあります。まず一つ目は、社会貢献の功績で表彰された山勢さんです。山勢さんは、カンボジアに日本語学校を設立され、日本語を教わる子どもたちの将来の幅を広げたり、バナナの皮から紙をつくることに成功し、製造・販売しスタッフを雇うことで職を生み出すという活動に繋げるなど、カンボジアでとても活躍されている方です。その山勢さんの活動紹介のVTRを拝見し、ある一節が深く印象に残っています。
「自分を持って、自分の決断をする過程を大事にしてほしい」
と山勢さんは話していました。なぜこの一節や印象に残ったかというと、私たちは4人で人命救助の活動を行いました。人命救助を行う要因となったのは、人だかりでした。私は、同じ高校に通う普段から仲の良い友人たちと一緒だったからこそ人命救助の活動を行うことができたと思っています。もし、同じ状況であの場に1人でいたらと考えると、私も人だかりの一部だったかもしれないと思います。そこで先ほどの言葉に影響を受けました。自分ひとりでも自分を持って決断したことを大切にやっていきたいと思えるようになりました。この先、人命救助の場面があるとは限りませんが、人命救助の場面以外でもとても大切な事だと思うので、この式典で学んだこの教訓を活かしていきたいと思います。
そして二つ目が、この表彰式の主催である社会貢献支援財団の安倍会長を少し知ることができたことです。首相夫人にお会いできるだけでもとても光栄で嬉しいことなのですが、それ以上に安倍会長の活動を知ることができて良かったと思っています。首相夫人ということで、お忙しいと思いますが、受賞者のところへ自ら出向き、触れ合い、コミュニケーションを取っておられる姿を拝見し感動しました。表彰式を行うだけではなく、そういった活動を行われることにとても意味があると思います。受賞者は活動への意欲も増し次の活動への糧となると思います。
私は、今回友人のおかげで表彰式に参加することができましたが、この表彰式で学んだ事はたくさんありました。今回、個々で学ばせていただいた事を活かし、日本だけでなく世界が少しでも良くなるように社会に貢献できる活動を行っていきたいと思います。
清水虹平
この度は、第50回社会貢献表彰式典に御呼びいただき、誠に有難うございました。
私たち4人が高校生時代に行った救助活動が、この様な形で表彰していただけることにとても驚きました。非常に光栄に思っております。
私は高校生の時には、ラグビー部に所属しておりました。ラグビーの基本精神に「one for all, all for one」という言葉があります。「一人は皆のために、皆は一人のために、自己犠牲を顧みない」という意味の言葉です。ラグビーを通してその精神を学んで来たため、女性がホームの下に転落していることに気づいた時は頭より先に体が動き、4人の力で無事にその女性を助けることができました。私一人の力では、決して助けることはできなかったと思います。
後日、その女性の方の投稿記事が県内新聞に掲載されました。改めてその方が助かって本当に良かったという気持ちになりました。
表彰式では、様々な社会貢献・人命救助をされた方々のお話しや内容を知り、とても感慨深く素晴らしく思いました。私たちもその中の一員として、この表彰を強く誇りに思います。これからも人のお役に立てる人間でありたいと思います。