社会貢献の功績
カネパッケージ株式会社
埼玉県入間市で梱包材の設計製造販売を行っている企業で、フィリピンでマングローブの植林活動を行っている。梱包材は森林資源を使用していることから温暖化防止のために何か出来る事をと考え、同社も進出しているフィリピンへ恩返しがしたいと平成21年から同国環境省公認の自然保護区内で活動を始めた。植林は、現地の湿地帯でマングローブの種を拾い集め、泥を掘っては植える地道な作業。毎年100万本を目標に、平成26年には500万本を達成した。その他、飲料メーカーと共同で「マングローブ植林支援自動販売機」の提供を行っているほか、同国オランゴ島、バナコン島に学校校舎の寄贈や改築などの支援活動も行っている。
この度は、このような大変栄誉ある賞を賜り、社員一同大変光栄に存じます。本当にありがとうございました。また、ご推薦して戴きました埼玉県国際課の皆様にも、この場をお借りして心より御礼申し上げます。
私どもの会社は、梱包材の設計開発を通じ、特に、コンピュータ、デジタルカメラ、医療機器、分析器のような搬送中に衝撃を好まない商品の梱包材を中心にご提案しております。会長の兼平作太郎が1976年から操業を開始し、現在日本、フィリピン、ベトナム、中国、タイ、インドネシアの6カ国で、18拠点で事業を展開し、今年で40年を迎えました。
コア技術を駆使した梱包材のダウンサイジング、省資源化、3R(リサイクル、リターナブル、リユース)を積極的に行っています。常に限界に挑戦し、梱中に入る製品の大きさは同じでも、梱包サイズを50%削減するような事も実現しております。
「一回使ったらゴミとして捨てられる」という梱包材の悪いイメージを変えたいという思いと、当社が進出している国に何か恩返しができないかという思いで、2009年からマングローブ植林活動を積極的行い、エビの養殖で破壊された「マングローブ林の再生」と当社のオペレーションを通じて排出する「Co2のオフセット」を開始しました。当社全グループの売上の0.1%をこの植林活動に充てています。
【植林実績】(2016年7月現在)
お陰さまで、下記のような実績となりました。
▶植林本数 710万本
▶植林面積 189ヘクタール(東京ドーム39個分)
【植林活動による効果】
マングローブ植林による効果は、マングローブ林の再生に始まり、Co2の吸収と酸素の創出、海岸線の浸食からの保護、津波防御林としての役割、水質浄化、魚介類の産卵繁殖促進、渡り鳥の食料補給基地等々の複合的な役割を果たしています。
私たちは、単に植林の本数を増やすだけでなく、実際の自然の生態系に有った形で植林を行っています。あるマングローブの種だけを植えすぎると稀少種の絶滅を招く可能性があります。そのため、埼玉大学と連携して、生態系の調和を保ちつつ、その植林する島に与える自然環境、経済環境への影響を綿密に調査しながら、実施しています。また、植林をしている島が、商業用の開発や伐採の危険から守られている自然保護区のなかで行っているため、他に産業も無く漁業だけが収入源です。マングローブ植林に携わって頂く労働力として、そこに住んでいる島民の皆さんの雇用と安定した現金収入を創出しています。
実は、マングローブ植林は、植林して終わりと言う訳では有りません。植林した後、植えた種が着床して育って行く為のメンテナンス保全を行って行く必要が有ります。そこにも、島民の皆さんの協力が労働力として必要となってきます。
【私たちが残せるもの】
マングローブの植林に行って、大きな感動の一つに、貧しい島の子供たちの純真で満面な笑顔です。始めはにかんでいますが、一緒に植林する浅瀬に入るともう友達です。言葉なんていりません。何も持っていない子供たちの笑顔が、何でも持っている私たちの心を釘付けです。私たちが、忘れていた、純真で、素直な心が、目の前の奇麗な南国の海とマングローブとともに蘇ってきます。
その笑顔に、人としての心を思い出させてくれた純真な子供たちに何かを残したい・・・。そして、私たちは、学校の校舎を寄付することにしました。1つは、最初に植林を始めたオランゴ島に、もう一つは、バナコン島に。今迄、ヤシの木陰や、教会の空いている時間で勉強していた子供たちが、雨の日も心配しないで、喜んで学校に来て勉強出来るようになりました。子供が、学校に行けるようになりお母様方も家事や他の用事も出来るように。この子供たちが、一生懸命勉強し、大きくなって、将来私たちの会社に働きに来てくれるようになったら、どんなにか素晴らしい事だろうと夢を馳せています。継続して島の宝である子供たちに教育と夢をとどけることが、私たちのささやかな贈り物になればと思います。
【環境:人と自然の調和】
素晴らしい自然のなかで、素晴らしい将来の有る子供たちを育て上げる事が出来たらどんなに素敵でしょう。自然が人の心を浄化し本当の心を蘇らせ、人の心が自然を大切にし、自然を守り、蘇らせていく・・・。こうして、本当の自然との共生が出来て行くことが、当社の環境への取り組みの将来の形に持って行きたいと思います。
【包む】
私たちは、お客様の大切な商品を真心を込めて包んでいます。私たちの思いが、大切な心を包み、この限りある美しい地球の自然を包めるよう事業活動並びに環境活動に精進して行きたいと思います。
代表取締役社長 金坂 良一