表彰式典

第47回 社会貢献者表彰式典(於:帝国ホテル東京)

受賞者代表挨拶

受賞者代表・一般社団法人日本聴導犬推進協会 常任理事 水越みゆき さん

一般社団法人日本聴導犬推進協会、常任理事の水越みゆきと申します。
受賞者を代表いたしまして、ひとことご挨拶とお礼の言葉を述べたいと思います。

本日は、この晴れやかな席で社会貢献者表彰の栄に浴し、心より感謝申し上げます。
私たちの団体は「聴導犬」といわれる、耳の聞こえない方、聞こえにくい方の自立と社会参加の手助けをする身体障がい者補助犬の育成と普及活動を行っています。
盲導犬や介助犬に比べ、まだまだ認知度は低く、社会での受け入れや支援が進んでいないのが現状です。

聴導犬は、日常生活で発生する音からもたらされる情報を聞こえない方に伝えるということがお仕事になりまして、安心な生活が出来るようにしてくれています。
例えば、インターホン、目覚まし時計、火災報知器、後ろから来る自転車、車の音、ユーザーさんを呼ぶ声など、聞こえる私たちが当たり前に聞いて判断し行動するように、聞こえない方も聴導犬のサポートを受けながら判断し行動ができるようにしてくれるのです。
本日、会場に実際に働いている聴導犬レオンとそのユーザーさんに来ていただきました。そして、私の足元には来年から聴導犬として仕事を始める候補犬のアーミが来ています。

ここで、簡単ではございますが、この機会に皆様に聴導犬の事を知っていただきたいと思いますので、どのように音を知らせてくれるのか、実際にアーミに行ってもらいたいと思います。

デモンストレーション

今日持ってきましたのは、キッチンタイマーです。タイマーの時間をセットして、音が鳴った時に伝えてくれるというのが聴導犬のお仕事ですので、やってもらいたいと思います。
今セットしました。ちょっと離れていますね。音が鳴っても聞こえない方はわかりません。
まず音が鳴りましたので、見に行きました。そして戻ってきて、いまタッチしています。
それで、どこですか?と聞きます。そうすると音の鳴っている方へ、器械の方へ案内してくれて、これだよと鼻でツンツンとタッチしてくれています。この音が鳴るものを見てくれることで、聞こえない方は「この器械から音がなっている」と知ることが出来るということです。このような形で音を知らせる仕事をしてくれます。

音を知らせること以外にも、「聴導犬」と書かれたケープを身に付けて社会参加しておりますので、周りから見て分かりにくい「耳が聞こえない」という障がいを、見える障がいに替えてくれることで、周りの人から手助けが受けられるという効果もあります。そのような役割も担いながらこの聴導犬たちはユーザーさんと共に生活をしています。

現在、聴導犬は日本全国で64頭しかおりません。盲導犬が950頭近くいるのに対し、まだまだ数が少ないということは、認知度も低いということになります。私たちは一頭でも多くの聴導犬を、耳の聞こえない方にお渡しし、そしてたくさんの方に聴導犬を知っていただくことで、聴導犬と聴覚障がい者が社会に出やすい環境づくりをしてゆくこと、そして、全ての人と動物が共生していける社会を目指してこれからも活動を続けて参りたいと思っています。

本日は、この様な晴れやかな席で聴導犬のご紹介をさせていただき、ありがとうございました。

一般社団法人日本聴導犬推進協会
常任理事 水越みゆき