表彰式典

平成27年度 社会貢献者表彰式典(於:帝国ホテル東京)

受賞者代表挨拶

受賞者代表・長野県信鈴会 代表 上條 和男 さん

受賞者代表・長野県信鈴会 代表 上條 和男さん

受賞者を代表いたしまして、ひとことご挨拶とお礼の言葉を述べたいと思います。
本日はこの晴れやかな席で社会貢献者表彰の栄に浴し、心より感謝を申し上げます。

わたくしは、長野県信鈴会の代表上條和男でございます。わたくしは、声帯がありません。声帯が無くてもこういう会話ができるということを皆さんに広く知って貰いたい、そんな思いでございます。

わたくしたちの会は、病により声帯を取らざるを得なくなった人たちに、再び声を取戻し、そして生きる喜びと自信を持ってもらいたい、その思いでこの活動を続けております。

長野県に於いては、現在830名の喉頭を失くした方がおられます。しかし、わたくしたちの会に入会している方は130名に留まっております。残りの700名の方は家にこもるか、会話も筆談しかない状態が現状でございます。

先ほどわたくしたちの会を代表して表彰状を受け取った女性について少し紹介いたします。
彼女は20代の時、信州大学病院耳鼻科に於いて自分が担当した喉頭を取った患者さんが、生きる勇気とそういうものを全部失って自殺しかねない、そんな状態の時に、「これでは医療が手落ちだ」そこでこうやって再びしゃべるその先進地でそれを調べて、本人が行って、長野県の信大の病院内にその基礎を、根を下してくれました。それ以来57、8年現在は84歳になりますが、若いころの思いをそのまま、いままで続けてきております。いつもわたくしが聞かされるのは、「これはボランティアとかいうけれど、違います。これは愛です。∗ずくを出せ、活動しろ」これが彼女の教えでございます。そして今わたくしも喉頭を取って20年になりますが、この会にお世話になり、そしてこの声を獲得できました。

本日はこのような晴れがましい席でこのような言葉を発することができたことに深く感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。

長野県信鈴会
代表 上條 和男

∗ずく:知恵を使ってサッサと動けという意味の信州弁