表彰式典

平成26年度 社会貢献者表彰式典(於:帝国ホテル東京)

受賞者代表挨拶

受賞者代表・社会福祉法人 広島いのちの電話 田宮 トシエ さん

受賞者代表・社会福祉法人 広島いのちの電話 田宮 トシエさん

本日は、「社会貢献者表彰」を受賞し、又、皆さまの代表として、ご挨拶させていただく私は、幸せでございます。

受賞者皆さま方に代わり厚く御礼申し上げます。

又、関係者ご一同様にも心から感謝申し上げます。

私ども、広島いのちの電話は、開局二十六年目を迎えましたが、開局までの準備期間は、七年と言う大変な苦しい歳月を要し、三十三年間の長きにわたり私はこの活動に関わり、約37万件近くの相談を受けて参りました。

戦前、戦後を経て生き続けてきた私は、大正生まれの八十八歳で今も現役の理事長として日々活動を続けております。

さて私達の住んでいる日本では毎年三万人近くの方が自殺で亡くなっておられます。

一昨年、十五年ぶりに三万人を下回りましたが、依然として深刻な状況である事には変わりありません。広島県だけで六百人を超える方が自殺で亡くなっています。そして、昨年私どもには1万六千件、1日平均50件程の電話がかかり、そのうちの15パーセント程の方が自殺をほのめかします。相談内容は病気、介護疲れ、失業、離別等様々です。

私ども広島いのちの電話は、こうした深刻な状況に対する一助になればと願い二十四時間、三百六十五日の「眠らぬダイヤル」として、孤独の中にあって死を訴える人々を電話線一本でご支援し援助して参りました。「死ぬしかない」と考えている人の心の中のもうひとつの声「でも生きたい」という気持ちをしっかり受け止めて、掛けてこられた方が「やっぱり生きていたい」と思えるようになるまで寄り添い、支え続けています。

昔から、「命あってのものだね」と申します。元気に「生きる」と言う希望を持ち続ける事は大変な事ですが、それ程いのちは大切なのでございます。私どもは、正に「死から生へ」の心の再生を願い、日夜、傾聴活動を続けております。
尊い生命が自死によって失われる事の無いようにと言う大変に重たい使命を現在百五十名の相談員により支えられております。

行政からの支援も乏しく、これまで地域の多くの方々のご支援、ご寄附によって支えられて参りました。  現在、多くの課題もありますが只今は、出来るところまで心を込めて頑張ろうと一同で励まし合っております。

より良い人生を求めて活動を続ける「市民のための市民によるボランティア団体」である広島いのちの電話の使命は、専門家ではなく訓練された相談員が良き隣人として寄り添うところに意味があります。社会情勢がますます厳しい中、広島いのちの電話の活動が認められ表彰をいただきます事、私ども同志一同、たくさんの勇気をいただき喜び合っております。

今後とも皆さま方の温かいご理解とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。

最後になりましたが「社会貢献支援財団」様の益々のご発展と皆さま方のご健勝をご祈念申し上げまして受賞者代表の挨拶とさせていただきます。

本日は誠にありがとうございました。

社会福祉法人 広島いのちの電話 田宮 トシエ