表彰式典

平成22年度 社会貢献者表彰式典(於:ANAインターコンチネンタルホテル東京)

受賞者代表挨拶

受賞者代表・川原 尚行 さん

受賞者代表・川原 尚行さん

ロシナンテスの川原です。
僭越ながら私が受賞者を代表いたしまして、本日の受賞の挨拶を申し上げたいと思います。
本日はこのような栄えある賞をいただきまして、本当に心より感激いたしております。

私は外務省で医務官としてスーダンに赴任いたしましたがスーダンというこの非常に政治的に難しい問題がございまして、ODAが止まっておりました。そのために、目の前にいる患者さんを診る事が出来ず、それならばということで外務省を辞め、ロシナンテスという団体を立ち上げて今診療に当たっております。また、今では診療だけではなくて多くのスタッフを抱え、水事業、学校事業、それからスーダンの子どもたちにサッカーを、ということで少年サッカー教室もやっております。

私は外務省、日本という政府を批判する気持ちは全くございません。批判からは何も生まれないので、自分が、何が出来るかということを考えてする、ということがいかに必要かなと、そういう意味で外務省そして日本政府とも手を携えて、ある意味オールジャパンでやりたいと思っております。

ある方が、この私の活動を見て、このような話をしてくれました。あなたのやっていることはこの話に似ていますねと。

この話を紹介したいと思います。「ハチドリのひとしずく」です。

ハチドリのひとしずく。

森が燃えていました。森に住む動物たちは一斉に森の外に逃げ出してしまいました。そこへ小さなハチドリが、その小さなくちばしに水を溜めて燃えている森へ飛んで行って一滴の水を垂らしています。逃げ出した動物たちは、笑いながら一斉に指をさして、
「お前何をやっているんだよ」と言います。
するとハチドリはこう答えます。
「僕には僕の出来ることをやっているだけです」

このような短い話ですけれども、要は私に出来ることは何かと考えて、自分なりのことをやればいいのかな、と。

今日、色々な分野で活躍されている色々な方が受賞されましたが、それは要は自分に出来ることを、色んな立場でやっているだけなんだなと、社会に一滴の水を垂らすことを自分なりにやればいいのかな、というふうに私自身思っております。

今日はこのような本当に栄えある賞を頂きまして、私はもとより受賞者の皆さん、たぶん、これを励みに自分なりの出来ること、社会に自分なりの一滴の水を今後も垂らし続けていこうと思っていることと思います。

本日はどうもありがとうございました。

川原 尚行