1989年、自宅に「かびら文庫」を開設したことが川平さんの読書推進活動のスタートとなった。現在、「かびら文庫」には6000冊余りの蔵書があり、貸し出し、読み聞かせ・語り、パネルシアター、人形劇、リトミックリズム、家庭での親子読書の方法や読書の相談、絵本の勉強会、本の情報交換等を行っている。さらに、近隣の児童館や幼稚園、図書館、小中学校、公民館等に定期的に出かけ、親子に実践指導を行っている。「かびら文庫」は毎週水曜日に地域に開放しているが、個人的な相談等にはスケジュールを調整して応じている。「かびら文庫」は、家庭的雰囲気をもった親子の集りの中で本を読み、本を通して互いに関わり合い、本来子どもがもっている「本好き」を引き出し、本の世界に入る場となっている。そして、互いに共有する時間の中での生活体験や遊びの自然体験などを通して共に成長することを目指している。
「かびら文庫」開設をきっかけに、個人的に石嶺小学校の教師や図書館司書と情報交換を行っていた川平氏は、1999年、「石嶺小学校読み聞かせボランティアの会」を発足させ、その代表者として本格的に学校ボランティア活動を開始した。
同会は、昔から読みつがれている絵本や誰でも深く楽しめる絵本・物語などを子どもたちに紹介し、楽しい本・味わいのある本に触れて本好きになり、子どもたちが自ら本を選べるようになることを願って活動している。
更に、学期毎に全家庭・職員に全学年で読み聞かせした本のリストを配布し、本の紹介と本読みへの啓発や理解を求めている。読み聞かせの時間は、職員朝会(火)の15分以内とし、2冊ほど読む。読み手も読む本も学年毎にローテーションし、事前に練習してから子ども達の前に立つ。読み聞かせ後は、集まって情報を交換し次に臨む。使った資料は保存する。同会の会員は設立当初の10名が、現在80名に増加している。
この結果、児童の読書への関心が高まり、読書量が増加した。石嶺小学校で昨年度1年間に図書館で読まれた本は79,200冊、一人平均年90冊に達する。これは沖縄県の目標数値70冊をかなり上回っている。
川平さんは、月2回、那覇市立病院での読み聞かせ出張を行い読み聞かせによる安らぎや触れあいによって入院中の子どもや家族の心のケアにも役立っている。
また、保育園、幼稚園、中学校、養護学校、児童館、公民館など多くの機関と読み聞かせで関わっている。更に、県内学校の読み聞かせグループの立ち上げ等に関わり、助言等を行っている。「かびら文庫」は、1994年アジア国際会議使節団、1997年ボストン子供博物館使節団の訪問視察に応じている。
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