社会貢献支援財団

こども読書推進賞

受賞者紹介


第2回「こども読書推進賞」受賞者紹介

てっせいちょうりつ のちしょうがっこう
哲西町立 野馳小学校 (岡山県阿哲郡)
【推薦者】 岡山県哲西町教育委員会
【受賞の言葉】
「日本一の民話の語り部」と言われる鹿島飛佐さんが伝承してきた郷土の昔話をアニメ化した取り組みも7作目。
様々な機会を生かして、先人の残した知恵や教訓を子どもたちと共に受け継ぎ、広め、民話を通して読書に親しむ活動を今後も大切にしていきたいと考えます。受賞は学校は元より、この地域にも大きな励みになりました。

 同校では、多様な読書推進活動の一環として地元に伝わる民話を中心とした読書への取組みをすすめている。哲西町には数多くの民話が語り継がれてきたが、「日本一の民話の語り部」と言われる賀島飛佐さんは90歳で亡くなる迄に600話以上の民話を暗記し、子どもたちに語っていた。その一部は「飛佐おばあさんの昔話」という本になっている。同校では5年前から児童が校内に「賀島クラブ」を作り、毎年一つ飛佐さんの民話をアニメ化したビデオを作成し、民話独特の語りを入れた作品を制作している。それらは学校や町の図書館に置かれ好評を博している。また、同校は日本全国に伝わる民話を中心とした読書活動も行っている。民話の持つ温かさ、先人の智恵、教訓、道徳性などに触れ、その面白さを感じとることを狙いとする。その他、校長先生による民話の読み聞かせ、図書委員による全国の民話の本の紹介、民話コーナーの設置、6年生が1年生に民話を読み聞かせ、教師による昼休みの民話読み聞かせ等、民話を通じて先人が伝えた貴重な文化を受け継ぎ、郷土を愛し、読書に親しむ心豊かな子どもに育てようとしている。

同校では「読書の楽しさを知り、進んで読書をする子どもを目指して」という目標のもとに、学校、家庭、地域が連携した児童の読書推進活動を進めている。

* 学校では、朝読書(月曜日〜金曜日の10分間)、図書委員による給食時間の本の朗読とお薦め本や新しい本の紹介、児童一人一冊のお薦め本紹介、校内感想文コンクール、図書館の環境づくり(新しい本・お薦め本コーナー、民話コーナー、季節や行事に合わせた本のコーナーの設置)等。
* 家庭では、図書館で親子一緒の本選び、家族の読み聞かせ、ボランティアの読み聞かせを親子で楽しむ、学校からの「読書だより」が勧める親子読書等。
* 地域では、町内他小中学校や幼稚園との読み聞かせ交流、他校生徒との読書郵便、町の図書館の利用促進、民話の集い、地域読書ボランティアグループによる読み聞かせ、等を行っている。

こうした活動の結果、全体に読書好きの子どもが増加し、読書量も増加した。また、子どもたちの読書の態度にかなりの変容が見られ、本が選べない子や、10分間集中できない子もいなくなり、読書内容も同一作者の本やシリーズ物をじっくり読みこなしたり、教師や友だちの読む本に読書範囲を広げてゆく子も出てきた。図書室、教室の本コーナー、家庭などで読書する子や、町の図書館から本を借りる子も増えている。良く内容を読みこなし、自分なりの考えを持つ子が増えてきたことは子ども達の読書感想文からもうかがえる。

民話を基にアニメ化したビデオ作成