受賞者

平成27年度

社会貢献の功績

とよのしょうがいしゃろうどうせんたー

豊能障害者労働センター

(大阪府)

大阪府箕面市で、養護学校を卒業する予定の脳性麻痺の少年が、「行き場がない」と訴えたことから、昭和57年に築30年の民家を事務所にし、障害者2人を含む6人で、粉石けんの袋詰め、販売を手始めに豊能障害者労働センターが始まった。それから33年、現在は障害者37人を含む55人が活動を続け、リサイクル事業としてショップ4店舗を運営し、オリジナルTシャツの通信販売事業、飲食店、点訳事業等を行なっている。これらの事業収益と同市独自の「障害者雇用助成制度」に基づく助成金によって重度の障害者を含むスタッフ全員に最低賃金以上の給料を生み出している。また、阪神・淡路大震災や東日本大震災の被災障害者支援にも、バザーを開催するなど、取り組んでいる。

推薦者:箕面市健康福祉部障害課
豊能障害者労働センター 代表 小泉 祥一
代表 小泉 祥一

今回、思いもかけない受賞にとまどいながらも、慣れないスーツに身をかためて電動車いすを駆使する汗だくの代表と、「知的障害」と呼ばれる若手女性スタッフ、介護者を含め、5人で東京へ向かいました。緊張した気持ちで参加した式典では、さまざまな場所で制度や行政の手が届かない分野で活動を続けておられる方々の紹介があり、「何とかしたい!」という強い気持ちが社会を変えていく原動力になるということに私たち自身も勇気づけられました。

事務所作業風景
事務所作業風景

障害があっても「あたりまえの市民として生きたい!」という設立当初の思いは、33年たった今も揺らぐことなく豊能障害者労働センターの活動の柱として息づいています。

障害者の「働く」権利を保障する制度が位置づいていなかった当時、豊能障害者労働センターは、保護・訓練される対象ではなく、住み慣れた地域で働いて所得を手にしたいという思いで廃油から作った粉石けんの販売をすることから始まりました。私たちは箕面市行政に働きかけ協働し、福祉の中で労働に軸足をおき、障害者に最低賃金を保障する制度を全国に先駆けて確立したのです。

33年経った今、障害者をとりまく状況は、制度が整ったように見えますが、多くは「労働者」ではなく「利用者」として福祉サービスを受ける対象という位置づけにとどまっています。「就労支援」や「職業訓練」を経て一般就労する障害者はほんの一握りであり、福祉の制度内で地域で自立して生活していけるだけのお金を稼ぐことは非常に困難であるというのが現状です。

私たちは、仕事に人をあわせるのでなく、その人にあった働き方を考えてきました。その結果、地域に5つの店舗をつくり、障害者がお店を担い、また、障害者がデザインしたTシャツ等のオリジナル雑貨を通信販売というかたちで全国に販売する今の形ができました。障害のある人もない人も全員「職員」として共に支えあい、それぞれの個性が発揮できる働き方を模索し続けています。

あわせて、被災障害者支援、地域の団体や学校との共同企画等、事業を通じてさまざまなつながりを紡いでいきたいと思います。

今後も、ひとり一人が主役になれる社会を願って地道に活動を続けていきます。

本当にありがとうございました。

豊能障害者労働センター
代表 小泉 祥一
(代筆:田岡 ひろみ)

  • 会議風景
    会議風景
  • 制作風景
    制作風景
  • みんなでつくる春のバザー
    みんなでつくる春のバザー
  • 着物地で葉書製作
    着物地で葉書製作
  • 東北関西交流祭
    東北関西交流祭