受賞者

平成27年度

社会貢献の功績

ながのけんしんれいかい

長野県信鈴会

(長野県)

昭和38年、信州大学医学部付属病院耳鼻咽喉科看護婦長だった今野弘恵さんが、声帯摘出手術を受けた患者たちの声を取り戻そうと、病院と折衝を重ね、患者たちを説得し、病院独自の発声教室を開設し、その後、長野赤十字病院とも連携し、県の協力もあり、同44年に長野県喉頭摘出者の患者会「信鈴会」を誕生させた。当時は治療が中心で術後のリハビリにまでは手が届いていなかったが、声を失った患者たちに希望と勇気を与え、発足当時は2教室であったが、現在は6教室にまで拡大されている。

推薦者:今野 弘恵
長野県信鈴会 会長 上條 和男
会長 上條 和男
長野県信鈴会 相談役 今野 弘恵
相談役 今野 弘恵
発声練習風景
発声練習風景

全国に口頭癌等によって声帯を失った人は、5万人以上と推計されています。

長野県の例ですと、県内の口摘者は、830名(県福祉課の調べ)居りますが、その中で実に80%の人が喋る、会話をする事を諦めてしまっている、という現実があります。しかし実際に声を出せるのですから一人でも多くの声帯を失ったひとに、声の再生をして、社会復帰を促し希望と自信を持って貰いたい。

声を失った先輩達が、再び声を獲得したその練習方法と、技を半世紀以上に渡り受け継いで来ました。

声を失ってしまえば、聴くことは出来ますが、返事が出来ません。親切を受けた時でも、ただ会釈するしか方法が無い人に、声帯が無くでも会話が出来る、それを習得することによって、その後の人生の、生活の質が上がり、手術以前の生活を取り戻すことが出来るそれを伝え、訓練をしております。

この会で行っている内容は、ピアケアー(同じ障害を持った人が、同じ障害の人をサポートすること)が基本です。

もう一つ大きなことは「心」の問題です。手術の傷と同じ様に、非常に大きな心の傷が残ったまま退院して行かざるを得ないのが現実です。最初に、発声教室へ来たときなど、暗く前かがみだった人が、少しでも声が出だすと、背筋がピンと伸び、表情が段々明るくなって行く。その姿をその都度拝見させて頂いております。

絶望の淵から、明るく前向きになって行く、その場に立ち会える、幸せを一緒に感じられる瞬間です。

生きることに負荷を抱えている人達は、幸せを受け止める「心の入れ物」が大きいと実感する時です。

社会貢献者表彰の受賞に際し、心より御礼申し上げます。

私達は発声訓練の活動をさせて頂く事によって、自分が知らなかった他の色々な社会を知る事が出来たり、そしてこの受賞という大きな経験をさせて頂きました。食道発声法という私の声が通じると信じて下さり、受賞者を代表して挨拶をさせて頂けた事は、(君の声は世間で通用するよ)と勝手に思い込んでいます。財団スタッフの皆様の温かい応援と決断に深く感謝をいたします。

声帯を無くした人達を励まし勇気づけられたことに、喜びを感じております。

ありがとうございました。

会長 上條 和男

  • 発声練習風景
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