受賞者紹介

平成24年度社会貢献者表彰「東日本大震災に貢献者表彰」受賞者紹介

名取市役所アマチュア無線クラブ
3月11日15時25分から名取市役所アマチュア無線クラブは同市災害対策本部内にアマチュァ無線機を設置し、メンバー各自の無線機を使用して災害情報収集をから開始し、数人が沿岸部・閑上地区へ出向き、被災状況を確認、安否確認、避難所との連絡、災害救助活動など、極めて緊急を要する情報授受を迅速・的確に行った。連絡手段の無くなった沿岸部避難所とはハンディ無線機にて通信手段を確保し、災害対策本部からの指示を迅速に伝達可能にすることで避難所内の混乱を防いだ。さらに市役所庁舎屋上にはボランティア団体が設置したアマチュア無線中継局が非常電源で稼働し始め、同市内全域と交信可能であるアマチュア無線中継局を使い、同市内のアマチュア無線家に通信支援協力を依頼し、市内の被害状況確認、及び負傷者の有無など確認を行なうなど、停電が復旧し、公衆通信網が使えるまでの3日間は通信手段として大きな役割を担った。
高橋 勇悦
被災障害者総合支援本部 JDF みやぎ支援センター 日本障害フォーラム JDF
震災後、被災障害者を支援する「みやぎ支援センター」を設立。石巻に近い涌谷町と登米市にそれぞれ支援センターを開設し、5万人以上が住む沿岸部に入り、約800人以上の支援員が安否確認とニーズ調査やそれに伴う支援に取り組んだ。個人情報保護条例という壁の中、1,593人の障害者を直接対話し、必要な支援に応えた。避難所への相談窓口告知から、行政に対し、障がい者が必要な仮設住宅設備の要望提出にまで及び後回しになりがちな被災弱者の救護活動にあたっている。
公益財団法人 社会貢献支援財団
被災地障がい者センターみやぎ CIL たすけっと
被災障がい者センターみやぎは、震災後、県内で障害者を障がい者を支援する「CILたすけっと」を自らも障害を抱え、車いす生活をする及川智氏を代表者に事務局を設立。震災一週間後から活動を開始した。阪神淡路大震災の経験から設立された「ゆめ風基金」の基金協力も得て、被災した障がい者に対し、安定した長期的な支援活動を行なっている。3月の時点で100件以上の救援物資を配布。本部を仙台市に設置し、県南北の登戸市と亘理郡に拠点を設け、復興を目指す障害者に寄り添った活動を行っている。また、県内2つの拠点を設けたことにより、雇用創出と持続可能な活動を結びつけることに成功した。
公益財団法人 社会貢献支援財団
NPO 法人 ひまわりの家
南相馬市は放射能汚染により、2軒ある精神病院が休業となった為、実質医療崩壊となり、隣接する相馬市の患者も行き場を失った。精神疾患を患う人には環境の変化と薬を飲まないことが一番悪影響を与える。そういった精神疾患患者を支えるため、NPO法人ひまわりの家は、閉鎖された病院のスタッフと協力し、病院に併設されていたケアホームや、通院していた患者の受け入れを行い、安否確認や薬の在庫確認等サポートを実施。通帳も持ち出せずに避難した患者や処方箋も分からない人への対応等多岐にわたる。行政に対して相馬市内の病院に臨時で精神科を設けてもらう働きかけなどを行い、他にも炊き出しや通いで患者の作業所での受け入れ、相馬市の委託事業としての業務も行っている。
公益財団法人 社会貢献支援財団
南三陸ホテル観洋
壊滅的被害をうけた南三陸で、館内にいた宿泊客と避難者350名を高台の駐車場に誘導し難を逃れた。女将は家族の安否確認より、宿泊客、従業員、地域の避難者の為の炊き出し等を優先して実施した。旅館も被害を受けたが、難を逃れた部屋にその日から町の避難者や、従業員の家族も含め、6か月間に亘り600名を受け入れた。その後も応援部隊やボランティアの受け入れを行った。旅行会社が実施する南三陸津波被害体験メニュー(学びの旅)の中心的役割を担い、学生の受け入れや体験講演などを通じて、被災地の声を届ける活動を行っている。また日本旅館国際女将会を通じて、今回の経験を全国に届ける講演も行っている。
公益財団法人 社会貢献支援財団
九戸村山友会
震災後、主に九戸郡野田村の避難所や仮設住宅に、4月10日より11月18日までほぼ毎月、延べ185名のボランティアを動員し、15回にわたり炊き出しや支援物資の差し入れを行った。
九戸村教育委員会
復興の湯プロジェクト
陸前高田市で避難所に自社の建設資材を用いて仮設トイレを設置。その後震災の10日後から会社の敷地内で、建築資材を用いて被災者用の共同浴場を作った。インフラが普及しない中、朝4時から川に水を汲みに行き、ドラム缶で湯を沸かし無料で開放。1日に200~300人が利用、4月10日からは復興の湯プロジェクトを立ち上げ、大石公民館の倉庫に場所を移し、ボイラーの灯油代を市が負担し、「復興の湯」の看板を掲げ、共同浴場は全員の仮設住宅入居が完了するまで行なわれた。9月10日までにのべ45,000人以上が利用。利用者は被災者のみならず、極寒の中不明者の捜索にあたる人や復旧作業に携わる人にも提供された。風呂場は家族や知人の安否確認等、住民たちの情報交換の場でもあり、涙を流せる場所でもあった。
公益財団法人 社会貢献支援財団
株式会社 八木澤商店
陸前高田市で200年の歴史ある醤油、味噌の醸造、販売店を営んでいたが、本社、工場、自宅のすべてが震災による津波で流出した。避難の際、従業員が付近の老女を担いで人命救助に努めた。また、避難後は避難場所となった高田自動車学校と協力し、支援物資センターを立ち上げ、支援の手が差し伸べられない地域を中心に支援物資の配送を始めた。(醤油や味噌の配達サービスで町の地図を把握しており、避難所に入ることのできないお年寄りの所在を正確につかんでいたので)。さらに陸前高田市を地域全体で復興するため、地元企業と連携した産業再生の取り組みを行っている。
財団法人 日本太鼓連盟 会長 松本 英昭
災害子ども支援ネットワークみやぎ
宮城県内で子育て支援活動等を実践している団体・個人が参加し、震災後4月6日に結成したネットワークで、約100の団体と個人が賛同者として登録し、子どもの心のケア、物資支援(生活物資や学校備品など)、学習支援(学校へ学習支援ボランティアの派遣)、イベント支援(人形劇公演の実施など)、支援者対象の講座開催、就労支援(託児室の開設やひとり親支援など)幅広いニーズに対応した活動に取り組んでいる。
宮城県 保健福祉部 子育て支援課
宮城県知事 村井 嘉浩
公益社団法人隊友会 宮城県隊友会
自衛隊退職者で構成される法人の宮城県会で、会員で「防災ボランティア組織」を編成し、同県及び仙台市をはじめとする自治体と災害時の応援協定を結び、万一の事態に備えていた。震災では会員にも11名の犠牲者があり、700名が自宅倒壊など被災したが、3月12日から仙台市内などの避難所で、炊き出し、物資の分配、入浴の支援などを宮城県隊友会独自の活動として行った。また5月9日から6月27日まで、隊友会本部が計画・実行した、民家室内の泥土の排除や瓦礫の撤去などの活動を、現地統括者として指揮し、全国から応募した会員を合わせ延べ640名で行った。さらに5月14日から6月10日まで、自衛隊からの要請で延べ134名が、出動中の隊員の家族の安否確認や、隊員家族の住居の片付けなどを行った。
公益社団法人 隊友会
紹介動画
NPO 法人 相馬はらがま朝市クラブ
福島県相馬市で、毎週土日に「はらがま朝市」を開催し、売り場・買い場を無くした市民のために新たなマーケットとして地元商品の販売や全国から集まる支援物資の配布を行っている。エンターテイメントステージや無料のカフェなどを設け、参加者の交流が深められる楽しいコミュニティとして支持されている。また、平日毎日「リヤカー支援隊」を実施し、同市内の仮設住宅(1500戸)を訪問し、野菜や生活用品の販売を実施し、特に高齢者や障害者に高い利便性を提供している。この活動で30名以上の地元雇用も生み出した。原発被害に苦しむ福島県相馬市に在住する避難民に対し、経済的、精神面の支援となっており、5月3日から現在も継続中。
相馬市長 立谷 秀清
釜石市立大平中学校
釜石市で大津波の壊滅的被害を受けた中学校。被災した釜石の人たちが復旧・復興に向けて取り組んでいる姿を見て、同校の生徒も復興に向けてボランティア活動を実践してきた。5月24日の1回目の活動で、学区内の避難所を回り物資の整理や清掃活動をするなかで、地域の人々から「太平ソーラン」が観たいとの声が上がり、練習に取り組み、7月7日の2回目にボランティア活動と太平ソーランを仮設住宅の高齢者に披露し喜ばれ、復興への希望と勇気を与える一助となった。その後、同中学校の取り組みは口コミで市民に広がり、市内の祭りや老人ホームなどでも披露した。11月12日に本年度最後の活動を終えたが、来年度以降も継続していく予定。
釜石市立大平中学校
亘理いちごっこ
東日本大震災発生後、亘理町で被災者支援活動を開始した際に自然に発生した、同町内の集会所にできたカフェで(現在は移動している)、罹災証明書を持った人には無償で食事を提供してきた。ワンプレートバイキングという方式を取り、罹災者とささやかな会話をするなかで、罹災者が本当に必要としている支援に応えようと、支援活動の問題点や解決策を探りながら様々な活動を継続している。震災で崩壊したコミュニティを復活させるため、恒久的に続けていく予定。
乳井 昭道 / 山形 俊子
NPO 法人 まごころサービス福島センター(子育て支援部門)こども緊急サポートネット ワークふくしま
平成18年から福島県全域で子育て支援をしているNPO法人。震災後直ちに、原発から逃れてきた、沿岸からの乳幼児を抱える避難者のため、おむつや粉ミルク、子供服等の支援物資の調達や炊き出しを行った。9月からは子育て支援に係るスタッフの養成研修会を実施し、仮設住宅に暮らす世帯の子育て支援をおこなっている。現在、仮設住宅に暮らす子どもの学習支援も検討している。
蓬莱まちづくりコミュニティぜぇね
室根町自治会連合会
震災による停電が復旧した3月14日から4月9日までの27日間、一関市室根保健センターなどで炊き出しを行い、一日当たり750~1,000個のおにぎりを気仙沼市の避難所にいる被災者に届ける支援を行った。また、3月27日から4月18日までの隔日、気仙沼市本吉町小泉中学校に避難している被災者に、一関市立室根促進センターの浴室を開放して入浴支援を行った。
岩手県一関市 市民環境部協働推進課
大原自治公民館等連合会
震災による停電が復旧した3月14日から20日までの7日間、一関市立大原公民館で炊き出しを行い200食のおにぎりといなりずしを陸前高田しの矢作地区の避難所に避難している被災者に届ける食料支援を行った。また3月20日から30日、4月1日から6日までの17日間、一関市立大原公民館の風呂を開放して被災者の入浴支援と食事の支援を行った。
岩手県一関市 市民環境部協働推進課
蓬莱まちづくりコミュニティぜぇね
平時は福島市蓬莱町蓬莱団地で高齢化が進んだ居住者のため無料のコミュニティバスの運営をしている。震災直後は一人暮らしの利用者の安否確認に走り、バスの待合室などを開放した。バスが運行が困難な時には高齢者の水汲みや買い物代行も引き受けた。また5月連休頃まで福島市の避難所で数回炊き出しの応援や、支援物資の配達もした。夏には協力者を得て福島の子どもたちの夏休みを県外で過ごす取り組みや線量計を調達してモニタリングなどを行った。9月からは飯舘村の仮設住宅がある飯野町と松川町と蓬莱ショッピングセンターを結ぶ仮設住宅間バスの運行を行い、仮設住宅コミュニティと外出支援を行う等の活動をしている。
NPO 法人 まごころサービス福島センター(子育て支援部門) こども緊急サポートネットワークふくしま
髙橋 實
仙台市宮城野区和田町内会長で、自身も被災し九死に一生を得たが、翌日から4地区をまとめる中野4町会長として一人地元に残り、各町内の被害状況の把握をはじめ、被災者の安否確認、自衛隊との瓦礫撤去立ち合いや警察との犠牲者捜索協力に不眠不休で対応した。また、中野小学校区災害対策委員会を3月20日に結成し、犠牲者の捜索、瓦礫の撤去、仮設住宅の早期建設などを行政に要望し、仙台市に陳情する等、諸問題の早期決着に尽力した。7月以降委員会は中野小学校区復興対策委員会と名称を変更し、地域の集団移転と中野小学校の存続について仙台市、市長に陳情を行っている。
大和田 哲男 / 仙台市宮城野区
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