受賞者

第49回

社会貢献の功績

しまだ とよみ

島田 豊実

(兵庫県)

歯科医師である島田さんは、2000年に歯科医院を宝塚市に開業以来、2008年から近隣の児童養護施設で暮らす子どもに対し、無料で矯正歯科の治療を行っている。施設の子どもは、そこに来るまでの生活環境から、歯の健康状態が悪い子が多い。親からの虐待やネグレクトにより、口くう崩壊が生じ、ボロボロの歯並びになって、食べられなかったり、笑うことをためらっていた子どもが、治療をきっかけとして、人前に出ることが楽しくなったと、コンプレックスの解消につながっている。子どもが劣等感を抱き、就職や結婚に不利益を被らないようにと、通常数10万から100万円ほどかかる治療を無償で行う。2012年に西宮市へ移転後、神戸市、兵庫県の30施設に拡大、現在、近畿ブロックの100施設を対象としている。夢や進学を語り合う会や職場見学会等を開催し、彼らと関わる中で、施設出身の子どもの大学進学率が11%と極端に低いことに着目。地域共生を元に、大学進学までのさまざまなロールモデルを作り、今年も大学進学を出するなかで、今春より、近畿の都道府県、政令指定都市の子ども課をまわり、矯正治療のボランティアならびに大学進学へのロールモデル作りを紹介している。

推薦者:島田 豊実
島田 豊実

この度は、私どもの社会貢献活動を表彰して頂き、誠に光栄に存じます。

ある児童養護の施設長から「先生のしていることを世の中に知ってもらい、多くの職業人の方が、施設へのボランティアに参加して頂けるように呼び掛けてもらえないか」とのお申し出を頂き、あえて自薦により応募させて頂きました。

私のボランティアは、児童養護連盟の関西ブロックに所属する、約100施設すべての子どもを対象に、無料で歯科矯正治療を行う事により、養護施設の子供の社会復帰を支援しようとするものです。この対象者を拡大し、施設退所後、大学に進学した学生や社会人(一部有料)も受診しています。

歯科矯正はご存知の通り、社会保険の対象ではありません。自費診療であるが故に「歯並びを整えたい」と思っても、「学校検診で咬み合わせが良くないことを指摘」されても国ならびに県、市からの補助費(措置費)では、まかないきれないそうです。

この子どもたちが将来、顔からのコンプレックスを抱くことなく、また、きれいな歯並びで可能となる‘歯垢を磨き残しなくする歯みがき’による口腔ケアにより、う蝕・歯周病が予防できて生涯自分の歯で食物の摂取を行うことが出来るようになり、このことにより、心身の健康を維持し、社会にりっぱな成人として活躍できるよう、お役に立てないか、という気持からの運動です。

さらに、将来への夢や進学を語り合う会や職業見学会を開催し、彼らと関わる中で、施設出身の子どもたちの大学進学率が11%と極端に低いことにも着目しています。

大学進学を希望している学生には治療と並行して、地域共生を念頭に、さまざまなロールモデルを形成し、複数の成功例を出してきました。次回は、施設で育てられた子供たちに里親に育てられた大学生たちも加えて、協同でロールモデルを創るという設定を思考し、さらなる「ソフトの質と量での拡大」を視野に入れています。

この春、都道府県、政令指定都市の子ども課をまわり、矯正のボランティアならびに大学進学へのロールモデル作りを紹介しました。同時期に、いくつものマスコミに取り上げて頂き、NHKニュースが全国に情報を流すまでに至りました。

国の底辺の底上げとなる「貧困と医療」「貧困と教育」の両面の抱える根本問題を解決しつつあると感じ、いずれもこれらのソフトを、将来への社会保障政策に役立てて頂ければ、と希望しております。

そのような中、このような大きな賞を頂戴し、さらなる「社会的認知に繋げること」ができますことに対し、心から感謝申し上げます。

ありがとうございました。