受賞者紹介

第54回 社会貢献者表彰
にんていえぬぴーおーほうじん ひこばえ

認定NPO法人 ひこばえ

(群馬県)
認定NPO法人 ひこばえ 理事長 茂木 直子
理事長 茂木 直子

DV・虐待・性被害等で、傷つけられた女性や子どもが心と身体の尊厳を回復するための安全・安心な場を提供し、自立に向けての新たな人生を歩んでいけるように総合的な支援活動を行って今年で10周年を迎えた団体。理事長の茂木直子さんは、2002年から東京でカウンセリングセンターを設立しボランティア活動を始めた。縁あって故郷の群馬県で相談活動に関わった時、群馬県内の女性問題・DV相談・保護施設等に関して支援が必要だと実感し、2009年NPO法人ひこばえを創設。フォーカシング指向心理療法研修会、DV被害者サポーター養成講座、デートDV研修会など始め、2011年から女性専用の「無料相談電話」を開設しDV・デートDV・家庭や子どもの悩み等の相談の他、被害を受けた人が避難できるシェルターをつくる。
2014年から北関東で初めてのDV加害者更生プログラムも始めた。母子家庭や諸事情で学校や塾へ行けない小学生を対象に無料学習支援を毎週土曜日に行っている。DV一般公開講座、護身術、出前講座など啓蒙活動も行い、暴力・虐待などの被害から女性や子どもを守るために支援活動続けている。

栄えある賞を賜わり、誠にありがとうございます。

個人的な理由で始めた支援だけに、全身面はゆい感じでいっぱいです。

「DV(家庭内暴力)」は、腕力、経済力、社会的地位等の「力」によって妻を思うように「支配」しようとする男性優位の偏見「ジェンダーバイアス」で起こります。その上、殆どの加害者は自分の考えが正しいと思い込んでいます。この「性差別」がある限り対等・平等・尊重し合える社会は程遠いですし、DVはなくなりません。

2019年度の世界の「ジェンダーバイアス指数」では、日本は153ヵ国中121位。先進国のG7の中では最下位です。

日本を良くするためには、男性も女性も性差別(ジェンダーバイアス)を学んで、DVを知る必要があります。大人の責任としてこれからの日本を背負って立つ子ども達に住みやすい環境を作る努力をする必要があると思っています。

知れば知るほど、DVの根深さに唖然とします。子どもへの虐待も増えました。「7日に一人の子供」が親の手で命を奪われています。虐待の陰にDVありと言われ、DV家庭の子ども達は何らかの虐待を受けています。子どもの目の前で繰り広げられる「面前DV」は、子どもの精神や脳へ大きな影響を与えます。DV家庭の子ども達の「DV連鎖」も起こります。

何であれ、暴力・モラハラをする者は、他の選択肢があるのに、暴力(犯罪)を自ら選んで行っているのですから、加害者が100%悪いのです。

最近ではジェンダーバイアスのことを「アンコンシャス・バイアス(unconscious bias)無意識の差別」と言います。意識せず当たり前のように差別が行われているので、見つけにくいのです。今、私達一人一人が社会の中の差別を意識して「これおかしいね」と言葉にしていくことがとても必要です。DVと思ったら「自ら声をあげる」ことで、自分自身の人生を選び取る力を得ていきたいと思います。

被害女性の支援を始めて少し経った時、いくら頑張っても無駄のように思えた時がありました。社会全体で4人に一人の女性が何らかのDVを受け、10人に一人が毎日被害を受け、20人に一人は死ぬほどの苦しい被害を受け(内閣府資料)、実際、4日に一人の妻が夫に殺されている(警視庁資料)。なのに片田舎で何を言っているのか、何の足しにもならない…と落胆しきったことがありました。その時、マザーテレサの「一人一人の人間に対するケアが、やがては社会全体のケアに広がっていく」という言葉と出会い、「ハッ」としました。

以来、ひたむきにやってきました。休まず、細々と継続していくために草の根を分けて進んできました。今後とも、女性の尊厳を守るため「嫌なことは嫌」と声を上げ続けていきたいと思っています。

理事長 茂木 直子

  • サマーキャンプでのBBQ(子どもの居場所づくり)
    サマーキャンプでのBBQ(子どもの居場所づくり)
  • バザーの売上は保護施設の母子に使われる
    バザーの売上は保護施設の母子に使われる
  • ひこばえのマーク
    ひこばえのマーク
  • 相談員・支援員研修会
    相談員・支援員研修会
  • 風のイスキア(カウンセリング付き保護施設)
    風のイスキア(カウンセリング付き保護施設)
  • 無料学習支援会
    無料学習支援会
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」